実践 4 ページ12
はぁ、と盛大に安堵のため息が漏れる。
良かった、OK貰えた。
「行くぞ」
「うん」
モノクロの後ろについて狭い路地裏を歩いていく。このまま歩いていけばすぐに人通りの多い道に出るだろう。
たくさんの人間の声とか車の音がここにいても聞こえてくるから、そんなに遠くないはず。
人間がたくさんいるところに行っても平常心で落ち着いて行動する、これを忘れないように。
……でも、何で人間がたくさん居るところに行くんだろう? 一人でいる人間を狙った方が良くない?
モノクロなりの考えがあるのかな? まぁ、俺よりずっと強いやつがそう言うなら、黙って従うべきだろう。どうすれば強くなれるかもよく知ってるはずだし。
よし、頑張ろう。
まだ死にたくないから、頑張って強くなるんだ!
「コーヒーとパンケーキ、このクリームたくさんのってるやつ。あとそれから……」
現在なぜか俺はおしゃれな感じのカフェにいて、メニューを見ながらモノクロが店員に注文しているのを見ていた。
何でこんなとこに?
他の客は若い女ばかりで、男2人組の俺達は完全に浮いているし、さっきから周りの席の女達はチラチラとこちらを見ながら何か話しているようだしですごく居心地が悪い。
「おい、お前はどうする?」
モノクロは周りが全く気になっていない様子で俺に向かって言う。
「いや、俺はいい……」
「じゃあ以上だ」
「はい、かしこまりました。メニューお下げしますね」
「あぁ」
メニューを受け取った店員が厨房の方へと入っていくのを見送る。
「あの……、何でこんなとこに?」
「腹が減った。朝から何も食べてない」
「え? お腹空くの?」
俺は何も食べなくても平気なのに。空腹すら感じない。姉ちゃんもそうだったはず。
ってかだいたいの悪魔はそうだって、姉ちゃんが言ってたわ。
やっぱ何か違うのかな?
「何だその顔は。悪かったな、俺は腹が減るし、そもそも食わないと生きていけないんだよ。大体、お前があの時に呼び出さなければ……、あ」
一瞬モノクロの動きが止まった。
「火……、いや……」
小さな声で何か言っているがよく聞き取れない。
「どうしたの?」
「何でもない。気にするな」
「うん……」
「言っとくが、別に俺の飯のためだけにここに来たわけじゃない、お前のためでもあるからな」
「それって……」
「自分で考えてみろ。制限時間は7分、当てられたら良いことあるかもな」
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凪 - ネタ帳からきました。待ってやっぱりモノクロ好っきぃ!!! (2021年12月25日 21時) (レス) id: 7248708266 (このIDを非表示/違反報告)
ふな(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!更新頑張って下さい! (2021年7月24日 20時) (レス) id: eed263cb5f (このIDを非表示/違反報告)
Cry cry - 続きが楽しみです。がんばりんごー! (2021年6月22日 16時) (レス) id: 72089608d6 (このIDを非表示/違反報告)
ソウルズ(カービィ)LOVE(プロフ) - ワーッ!(?)どうも!はじめまして!読ませて頂きましたが、すんごく面白いです!頑張って下さい!応援してます! (2021年6月18日 21時) (レス) id: 604407214b (このIDを非表示/違反報告)
まきぴろん(プロフ) - 遅れてごめんなさい(汗)完成しました!!ありがとうございました。 (2021年1月4日 12時) (レス) id: 24af0dff4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:衛生兵079 | 作成日時:2020年11月2日 14時