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#22 ページ24

※ASide※



巨くんが部屋から出て行くとき


私の頭をポンポンとした

「おやすみ Aちゃん また明日ね」


ドアが閉まると私はその場に座り込んだ


(巨くんも私のことを好きでいてくれた・・・女として。)


いつからかは わからないけど・・・


巨くんの香りで包まれている自分の体を抱きしめる



翌日は生憎のお天気でレインコートと傘であまりよく見えなかったけど

雨で人がいつもより少ない


バスから降りてきた巨くんはいつものように側にきてくれて

絵はがきを受け取ってくれる


『おはようございます』

「おはよう これ」


手に乗せられたのは巨くんの


サインボールだった


「良い日になりますように」


そう言って渡してくれた日


午後から強くなった雨で

少し体が冷えて風待ちテラスに行く前に

お風呂に入った


メイクを終えてピアスをつけようとした時


チャイムが鳴る


『はい』

スコープを覗くと そこに巨くんがいた


『巨くん…どうしたの?今からテラスに行こうと思って用意してたんだよ』


「……」

『中に入って?』

何歩か歩いて入り口付近で足を止めた彼が
重い口を開く


「ちょっと今日は行けそうになくて謝りにきたんだ」

『館内電話でもよかったのに わざわざありがとう』


「じゃあ行くね」

『うん』


ドアに向かう巨くんが立ち止まったまま動かなかった

「あのさ Aちゃんには伝えたほうがいいと思って…」

『なに?』

「今日ね監督から聞いたんだ開幕は千賀でいくって」

『えっ…』

「ごめんね 応援してくれてたのに応えられなくて」

『そんな‥…』

背中を向けたままの彼は「じゃあね」と言ってドアノブに手をかける


『巨くん…待って!行かないで?・・・』


自然に彼の背中にピトッと頭をくっつけ腰に腕を回した


『部屋に帰るだけなの?』
「うん」
『じゃあ私と一緒にいて?巨くん』


今・・・彼を独りにしたくなかった


「こんな惨めな俺と一緒にいてくれんの?」
『いる』
「俺、男だよ?そんなこと言われたら理性なくなるかもよ?」
『それでもいいよ・・巨くんの側にいたいから』


私が一番弱かった時


巨くんが側にいてくれたことが心強かった


『まくとぅそーけーなんくるないさ・・・東浜巨選手』


耳に巨くんの鼓動を聴きながらそう言った私は


いつの間にか抱きかかえられていた








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エリン(プロフ) - asaさん» コメントありがとうございます、更新楽しみにしてくれていたなんて嬉しいです。なかなか進められなくてごめんなさい (2020年5月10日 20時) (レス) id: 6467547891 (このIDを非表示/違反報告)
asa(プロフ) - 更新楽しみにしてました!ありがとうございます(*≧∇≦)ノ続きが待ち遠しいです(*^^*) (2020年5月10日 18時) (レス) id: d459b4654a (このIDを非表示/違反報告)
エリン(プロフ) - 陽葵さん» 苦手な18系の部分も避けて読んでいただいてるんですね感謝です私が大好きなんで詰め込んでますけど よろしくお願いします (2019年5月8日 23時) (レス) id: 4fc6dadfff (このIDを非表示/違反報告)
エリン(プロフ) - 陽葵さん» こんな私になんて素敵なコメントでしょう。ありがとうございます とっても嬉しいです感激です (2019年5月8日 23時) (レス) id: 4fc6dadfff (このIDを非表示/違反報告)
陽葵(プロフ) - ばやし君の方のも読ませて頂いてますが、18系が苦手なので飛び飛びになってしまっていますが、あの小説も凄く好きです。これからも応援しています、頑張ってください(><)長ったらしいコメント、すいませんでした。 (2019年5月8日 22時) (レス) id: 987cca78b9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:エリン | 作成日時:2019年2月23日 21時

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