やっと話せた sh #16

#11 ページ12

※巨Side※



パーティ会場に戻った俺に栗が寄ってきた


栗「巨さんどこに行ってたんすか？上着は？」

巨「あートイレで手洗ってたら濡れたから部屋に置いてきた」

栗「Aさんはもう来ないんすかね？
もーちょっと話したかったっすね 可愛いかった〜生目で会った時もだけど今日も雰囲気違って
だけど巨さん、彼女の旦那さん冷たいと思いません？」


巨「ん？そうだな 栗は優しいもんな」


栗「俺なら自分の上着かけてエスコート…」

栗が急に黙った

俺をジッと見て

栗「巨さんには勝てないや」

巨「なんだよ急に」

栗「そんなとこも大好きですよ〜巨さん」

巨「よせ 離れろ」


栗からハグされて気持ち悪りぃ


甲斐「疲れた…」

今宮「俺も…何か ふたりは楽しそじゃね？」


栗「二人みたいに知られてないから俺は気楽に
めちゃくちゃ食べてましたよ」


武田「明日、休みほしー疲れた」


やっと解放された皆は温泉に入りにいくといい

俺は部屋に戻ったがAちゃんが気になり

着替えてラウンジに覗きに行った



A『あの娘 妊娠したんだね』


二人が並んで座るカウンターの後ろを通る時に聞こえた

パーティで女性に話してた内容と被り
俺はまた 驚いた


図星を突かれた男の顔色は焦りに変わる


小林「そ、それは…」

A『私も子供は欲しかったのよ
でも 結婚した相手は間違えた
あなたと私は夫婦としては何もないし紙切れ1枚の拘束だけ 持ってるんでしょ？離婚届』


小林「あぁ」

A『もらう』


胸のポケットから封筒を出して彼女に渡す


A『私が出していい？市役所行ったらメールするから』

小林「すまない」

A『1日も欠かさずキャンプを見にいけてる事は感謝してるから ありがとう』

小林「いや それくらいしかできなかったし最後まで楽しんでくれたら嬉しいよ」

A『そうする もう行って…』

小林「じゃあ 元気で」


小林さんが席を立って離れる時
Aちゃんが背中を向けたまま言った

A『子供は幸せにしてあげてね』


カウンターに一人になった彼女に声をかけるかをためらった


『同じのください』

彼女の前にショットグラスが置かれた


(テキーラ？飲めないって言ってたよね？)


一気に飲むと また もう一杯と言う彼女
流石に止めに入った

「Aちゃん 飲めないって言ってなかった？」

『あ〜巨くんら〜どうしたの？ねー見てぇ
これ 離婚届なんだよさっきぃ もらったんだよ
』





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