やっと話せた sh #16

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＊ASide＊



パーティ会場を足早に出た


閉じた扉の前でうつむく私の背中に温かいが布が･･


横には巨くんの姿があった


自分の上着を私にかけてくれた彼


A『巨くん･･･ありがとうございます でも汚れちゃうから』


返そうとすると彼は私の肩に手を添え首を横に振る


巨「そんなこといいから風邪ひかないうちに着替えようよ」


巨くんが腕が私の腰を押して エレベーターホールでボタンを押す


パーティはまだ半ばでその階を利用する人の姿はない


A『巨くんは戻ってください みんな心配するから』


巨「部屋まで送るよ･･･って何かホテル内でヘンだけど
それに俺のスーツの上着を羽織らせてるから一緒のほうがいいと思うし」

にっこり 笑う巨くんに少し救われる


A『ほんとヘンだよね』

　
にっこり 返すと

巨「うん やっぱ笑ったほうがいいよAちゃんらしくて」

巨「話だしてまだそんなに経ってないし友達面もどうかと思うけど」


A『私を友達にしても大丈夫ぅ？』


ちょうどその時 エレベーターの扉が開き先に私を乗せてくれる


巨「覚えてる？初めて話したのこのエレベーターだったんだよ」


A『あれは忘れられないよ衝撃的だったから』


巨「あれから沢山話したね それも俺がテラスに勝手に寄ってるだけだけど」


A『感謝してます 巨くんには。
あの日から夜が怖くなくなったから』

巨「怖い？」

A『……』

部屋の前まで送ってくれた巨くん

A『ありがとうございました 上着…クリーニングしてお返しします 明日着る予定とかないですか？』

巨「うん 無いよ このまま返してくれてもいいんだけど 今夜はAちゃんの側に置いててやって じゃあまたね 早く着替えて」

ヒラヒラと手を振り巨くんは立ち去った

約束の一時間が経ち

ラウンジのカウンターに小林と隣同士に座る


小林「そんなに強い酒飲むんだ？」

テキーラをショットで飲んだ

A『初めてだけど 話ってなに？』

小林「単刀直入に言うと離婚してほしい」

A『離婚？』

小林「大きな声出すなよ」

A『結婚式以来だよね？こうやって隣に座るの それで離婚？一年ちょっと私の戸籍を汚して許さない』

小林「悪いと思ってるだからこれからの先の生活費も含め1億払うしマンションもおまえの名義だから好きにしてくれていいから」


A『あの娘 妊娠したんだね』


小林の顔色が変わった





図星みたい






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