メイド長はメイドを辞めたい。【d!】

メイド7 ページ8

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『よし、買い物も終わったし、少し休憩がてらそこのベンチで休む?』

買い物も終わり、さっきから立ちっぱなしだったので、ユキに公園のベンチを指差して休むか聞いた。

「うん!そーだね!最近私もAも忙しかったから中々こうやって話す事出来なかったから、今日こうやって話せて嬉しかったよ!」

笑って言うユキは、とっても清々しい笑顔をしてた。私も、今日ユキと久々に喋れた事で今までの疲れが少し吹っ飛んだかなぁ…

『…なんかさ、雰囲気壊すようで悪いけど…最近、メイド辞めようかなぁって思ってるんだよね。』

「へー、そうなんだ…って、え!?今なんて!?」

『いやだから、メイド辞めようかなぁって…」

私がメイドを辞めようか悩んでるという事実をユキに言うと、ユキはとても驚いていた。

「A忠誠心高かったじゃん…?だからびっくりして…」

『私も私を拾ってくれた総統様や幹部の皆様には感謝してるんだけどね…。

でも、毎日毎日働き付く目で…メイド長になってから、他のメイドの皆のためにも私が頑張らなきゃって思うようになって…

それがプレッシャーになってきてもいるんだよね…』

今までの悩みを唯一信頼できる友達であるユキに言う。ユキは真剣な表情のあと、私の顔を見つめてこう言った。

「…Aがメイドをやめるか悩んでるって聞いて、最初はびっくりした。

…でも、やっぱAの人生だし。Aには自分で決めてもらいたいんだ。

Aがもしまだメイドを続けていたい、そう思うならそれでいいと思う。それも、Aの人生だからね…。

…ただ、無理はしてほしくない。自分の気持ちに素直になってみて。私はAの人生を全力で応援するから…。」

『ユキ…。』

自分の気持ちに素直になってみて、か。

…確かにメイドを辞めたい気もするけど、今のこの騒がしい皆様の中でまだお仕えしたい、そんな気持ちも残ってるのかも知れない。


でも。ユキに相談した事で少しは楽になったかな…。

『…ありがとうね。私、ちょっと考えてみるよ。』

「うん、さて!暗い話終わり!こういう雰囲気なれてないからさ!」

『うん…!じゃあお店戻ろっか。』

「そうだね!よーし、じゃあどっちが早くお店に着けるか競争しよう!」

『ふふっ、メイド長の力を舐めないことね！』

そして私達は無邪気に走った。やっぱユキは人を元気付けてくれる力があるなぁ…。私もそれに救われちゃったな。

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