メイド長はメイドを辞めたい。【d!】

メイド11 ページ12

「はぁ…メイド長さんはこう言ってるようやけど、ゾムも気をつけるんやぞ?万が一心臓とかに刺さって死んだりでもしたらどうするんや…」

「それは嫌やな…これからは限度を守ろうとは思うわ。」

いつの間にかゾム様への説教は終わってたみたいだ。

『あ、これやってなかった書類です。後でやっておいて下さい。

あ、それとトントン様、朝来た観光客の拷問私に任せてもらってもいいですか?あと書類はまた後で持ってきます。』

「ん?あぁ、ええで。メイド長さんいっつも情報引き出してくれるもんな。しかも結構かなり重要な内容も。」

先程トントン様が言った通り、たまに私も観光客等の拷問を行ったりする。

昔は簡単に人を殺す性格じゃなかったんだけどね…いつから変わってしまったのだろうか…。

『では、私はこれにて…。失礼致しました。』

と言って部屋を出る。帰りにゾム様に「意外やなぁ」などと言われていた。まぁ意外だと思うのには私も同感だが…

ｰｰｰｰｰｰｰ

『はぁ…やっと終わった…。』

書類を全て終わらせた頃には時計は4時半を指していた。

拷問したいし、早く届けに行きましょう。ふふふ、あの快感をまた味わえるなんて…うふ、うふ、うふふふふ…

…おっと、取り乱した。さて、この書類をトントン様に届けないと。

既に袋いっぱいに入った書類にもびっくりもするが、何より凄いのはこれがトントン様の仕事量の20%くらいにしか満たないのよね…

トントン様隈すごかったし、本当休んで欲しいのだけれど…結局書類がたまりに溜まってるってことで月に2、3回ある休みですら書類をやっている。

トントン様の凄さを感じていると、トントン様の部屋の前に着いた。

コンコン

『失礼します。Aです。書類を届けに来ました。』

「ん?…あぁ、入ってどうぞー。」

疲労が若干溜まってそうな声を聞き本格的にこのままだと死んでしまうのじゃないかと心配しつつ『失礼します』と一言言って入る。

部屋に入ると沢山の書類が整理されつつ床に置いてあった。ここ我々国書記長室には国中の書類が最終的にはここに集まる為、この広いスペースの部屋でも軽々と書類が埋まってしまう。

取り敢えず沢山ある書類を避けつつトントン様のいるデスクへと歩を進めていった。

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