＿壊れそうな心 ページ35
Aside
『 ...っん、』
涼しい風が吹いてきて、
ゆっくりと瞼を開けた。
目黒｢ ...起きた？大丈夫？｣
あぁ、そっか、私お風呂で。
ぼんやりとした頭で記憶を辿る。
『 大丈夫、です。』
目黒｢ ん、ならよかった。とりあえず風邪ひくから髪乾かそ？｣
おいで、なんて言われて
先輩の足の間に座る。
優しくて大きな手が頭を撫でて、
なんだか安心して、泣きそうになる。
カチッとドライヤーのスイッチが切られると、
また静かになった部屋。
目黒｢ ...なんかあった？ ｣
『 ...え？』
本当に突然、そんな事を聞かれて、
一瞬思考が止まってしまう。
目黒 ｢ 帰ってきてからも浮かない顔してるし、どうせ風呂の中でもなんか考え事してたんでしょ？｣
『 ...、』
なんでもお見通しだ、先輩は。
それでも、何を話せばいいか分からない。
きっと、私の心が弱いだけだ。
考えすぎてるだけだ。
それでも、
それでも。
先輩と私が釣り合ってるのか不安になって、
先輩とずっと一緒に居られるのか不安になって、
いつか飽きられちゃうんじゃないかって、
こうやって考えてることも、
めんどくさいと思われるに決まってるのに。
私が彼氏だったら、
こんな風に考えてる彼女なんて、とっくに別れてるだろう。
.
目黒｢ ...A？｣
その優しい声が、苦しくて。
もう何も分からなくて、立ち上がった。
目黒｢ え、おい、...待てって。｣
先輩に手を掴まれて、
その場に立ち尽くしてしまう。
目黒｢ なに？...どした？｣
背丈の合わない私の顔を覗き込んで、
驚いたように頬を触る。
目黒｢ ...なんで泣いてんの。｣
『 泣いてない。』
目黒｢ 泣いてんだろ。｣
『 ...ないて、ない、っ、』
もうこんな自分が嫌で、嫌いで、
訳も分からない涙が溢れて。
握られた手を振りほどこうとした時、
強く引き寄せられた身体。
先輩の腕の中にすっぽり収められて、
背中をぽん、ぽん、と優しく叩いた。
目黒｢ ...A、落ち着いて。｣
『 ...っ、ごめ、なさ、』
目黒｢ ん、いいから。｣
そこからは、子供みたいに泣いて、
たまに顔を覗き込む先輩は、
困り顔で溢れて止まらない涙をふいた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4365人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
asami13(プロフ) - 連載終了お疲れ様でした！いつか結婚後の続編をまたお願いしたいです(^^) (2021年9月15日 0時) (
レス) id: 8b30dcb498 (このIDを非表示/違反報告)
ぽむりん(プロフ) - ゆきなさん» お返事遅くなってしまい申し訳ないです(；；)適当に書いてしまったので自信がなかったのですがそう言って頂けて嬉しいです(；；)今年も応援よろしくお願い致します(><) (2021年1月11日 20時) (レス) id: a9d3d6effb (このIDを非表示/違反報告)
ぽむりん(プロフ) - １％の可能性を１００％信じる人さん» お返事遅くなってしまい申し訳ないです(；；)番外編まで読んでいただいてありがとうございました(><)送り主様も体調にはお気をつけくださいね、、！ (2021年1月11日 20時) (レス) id: a9d3d6effb (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - クリスマスの番外編を投稿してくださるなんて幸せでしかないです…！ありがとうございます！！主様の書く文章はやっぱり素敵でキュンキュンが止まらないです(*´`)それに加えて最後のメッセージで感動まで頂いてしまいました(;;)来年もよろしくお願い致します！ (2020年12月28日 1時) (レス) id: 00e2993c3b (このIDを非表示/違反報告)
１％の可能性を１００％信じる人(プロフ) - クリスマス編、すごくキュンキュンしました(///∇///)これ見て、元気出ました！ありがとうございます。健康第一ですから、体調には充分気を付けてください、！良いお年を★ (2020年12月27日 18時) (レス) id: 1757092766 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぽむりん
| 作成日時：2020年7月8日 21時
