茶×教師 ページ43
私と先生を隔てるものが、年齢だけなら良かったのにな。
ね、先生。
学年が上がって晴れて高校2年生になった私。
華のJK。しかも2年生。所謂SJKだ。
多分、ティーンエイジャーの中では1番楽しい時期なんだと思う。
学校に部活にバイトに、恋愛。
ウチの高校の子達も例に漏れることなく、彼ピ、好きピ、そんな話題で持ち切りだ。
(彼ピ好きピ、なんて初めて使ったわ。JKみたい。いやJKだけど)
友達も昼休みになると勿論そんな話題で盛り上がる。
皆恋する乙女、と言った感じで頬を染めて話す姿は可愛いと思う。
そんなお手本JKのような友達の話を頷きながら先程自販機で買ったいちごミルクをずここーーーーーっと啜りながら聞く私。
………JK、なはず。自信なくなってきた。
「ねぇ。Aは彼氏作らないの？」
まさか自分に今その話題が振られるとは思ってもみなくてピン！と背筋を伸ばす。
周りを見ると、そこには女子特有のキラキラしたダイヤモンドのような瞳でこちらを見ている。
……そう例えれば聞こえは良いけど、実際はただの恋愛話に飢えたハイエナですよ、皆さん。
『えーーーー…まぁ、…うん』
そう歯切れ悪く言葉を漂わせると、先程までキラキラした瞳は輝きを失い濁っていく。
世間ではこの目を死んだ魚の目、と例えるんだろうなきっと。
「A身長高いしモデルみたいだし、すぐ彼氏なんて出来そうなのにぃー」
そう彼女が言う言葉にグサグサっと心が傷付く。
友達は褒めてくれてるんだろうけど、その身長、が私の恋のハードルなんだよなぁ…
あはは、なんて乾いた笑いしか出てこず、取り敢えず目の前のお弁当を箸でつつく。
この胸に秘めた想い、誰かに相談出来れば、少しは気持ちも軽くなるんだろうに。
誰にも言えない子の「想い」は1度も私の口から出たことがないまま、私の胸の奥底で大きく大きく育っていくのみだった。
あまり抱え込みすぎると、いつか破裂してしまいそうな風船のように。
私からやっと話題がそれたその時、
訪れたのだ。
ガラリ、と私の後方の扉が開く音がする。
「Aーいるかー？」
突然呼ばれたその声と名前に、びっくりするほど心臓が飛び跳ねた。
金澤先生、だ。
ぱっと振り返るとそこにはグレーのスーツを着こなした金澤先生が立っていて、先生の瞳はキョロキョロと教室内を泳ぐように動かすとパチン、と私の目と合った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 273人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ヨウ(プロフ) - ななみさん» そう言っていただけて良かったですー！また続編の方にも遊びに来ていただけると嬉しいです！ (2019年6月25日 0時) (
レス) id: 523a836345 (このIDを非表示/違反報告)
ななみ(プロフ) - キュンキュンしちゃいました〜！すっごく読みやすい文章で大好きです！ありがとうございます！ (2019年6月20日 22時) (レス) id: d77610da69 (このIDを非表示/違反報告)
ヨウ(プロフ) - なぁさん» いつもありがとうございます！中村先輩、まだキャラがブレブレで申し訳ないです…続編頑張りますね！ (2019年6月20日 21時) (レス) id: 523a836345 (このIDを非表示/違反報告)
ヨウ(プロフ) - ななみさん» ありがとうございます！寛太先生続編書かせていただきました！期待に添えたものではなかったら申し訳ありません…また遊びに来ていただけると嬉しいです！ (2019年6月20日 21時) (レス) id: 523a836345 (このIDを非表示/違反報告)
ヨウ(プロフ) - Mrs.ぱんぷきんさん» リクエストにお答え出来るようなお話書けるか分かりませんが…はたらくおにいさん。の橙くんはツンツンキャラが多かったので頑張ってみますね！ (2019年6月20日 21時) (レス) id: 523a836345 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ヨウ
| 作成日時：2019年4月21日 1時
