桃×家政夫 ページ40
「あんた忙しいんだし、これ使ってみたら?」
久しぶりに会った友人に見せられたスマホの画面。
そこに書かれた「ハウスキーパー」の文字。
『うーん…でもお高いでしょ?こういうの』
「その辺の男より稼いでるあんたが何ケチ臭いこと言ってんの」
パシッと軽くおでこを叩かれ、痛い、とそこを撫でるも彼女は特段気にする様子もなかった。
「それに、保育園にも通わせられないあんたからしたら万々歳なんじゃないの?」
そう言うと友人はチラリと私の隣にちょこんと座る私の息子を一瞥した。
息子は特に気にする様子もなく、テーブルにお気に入りのミニカーを走らせてご機嫌だ。
『ハウスキーパー、かぁ…』
友人に教えて貰ったサイトを眺めながら息子と手を繋ぎ歩きながら帰路へ着く。
私は所謂シングルマザー、だ。
1度は結婚し子供も出来たものの、それぞれの仕事や家族の価値観の違いから別れることになってしまった。
有難いことに私は仕事を沢山させてもらい、気付けばいい役職にも就かせてもらっている。
しかしその一方で、家庭が疎かになりつつある。
息子は今3歳。
保育園に通わせる事も考えていたが、今の状態では私自身が迎えに行くことも難しい。
遅い時間までやっている託児所に預けているが、それが息子にとって良い事なのだろうか。
頭を悩ませている。
もう一度そのハウスキーパーのページをじっくりと見た。
掃除洗濯料理子守り。
こちらの希望する家事を提示すれば、それに見合った人を派遣してくれるようだ。
ものは試し、か。
私は掃除と料理、そして子守りをして貰える人を選択して申し込むことにした。
何とかハウスキーパーの話もトントンに進み、今日からお願いをする日。
朝息子に朝食を食べさせながら、到着を待っているとインターホンが鳴り響いた。
「はーい」と聞こえてるか分からないが急いで玄関に向い扉を開けるとそこには少しだけふくよかな男性が立っていた。
「初めまして。本日から担当させて頂きます、杭全と申します」
『あ、宜しくお願いします』
杭全さんはハウスキーパーの社員証をこちらに向けてにこやかに話をした。
てっきりハウスキーパーって女性の方だと思っていたので、男性が来たのには驚いた。
取り敢えず、玄関に立たせているのも申し訳ないので部屋へ向かい入れた。
リビングに行き、契約内容をそれぞれ確認し、部屋やそれぞれの掃除道具等の場所を説明している間に出勤しなければいけない時間が迫っていた。
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ヨウ(プロフ) - ななみさん» そう言っていただけて良かったですー!また続編の方にも遊びに来ていただけると嬉しいです! (2019年6月25日 0時) (レス) id: 523a836345 (このIDを非表示/違反報告)
ななみ(プロフ) - キュンキュンしちゃいました〜!すっごく読みやすい文章で大好きです!ありがとうございます! (2019年6月20日 22時) (レス) id: d77610da69 (このIDを非表示/違反報告)
ヨウ(プロフ) - なぁさん» いつもありがとうございます!中村先輩、まだキャラがブレブレで申し訳ないです…続編頑張りますね! (2019年6月20日 21時) (レス) id: 523a836345 (このIDを非表示/違反報告)
ヨウ(プロフ) - ななみさん» ありがとうございます!寛太先生続編書かせていただきました!期待に添えたものではなかったら申し訳ありません…また遊びに来ていただけると嬉しいです! (2019年6月20日 21時) (レス) id: 523a836345 (このIDを非表示/違反報告)
ヨウ(プロフ) - Mrs.ぱんぷきんさん» リクエストにお答え出来るようなお話書けるか分かりませんが…はたらくおにいさん。の橙くんはツンツンキャラが多かったので頑張ってみますね! (2019年6月20日 21時) (レス) id: 523a836345 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヨウ | 作成日時:2019年4月21日 1時