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休憩から戻り、フロアへ向かうとそこにはテキパキと動く中村先輩が見える。
あー、こうやって遠巻きから見てる分には良いんだけどなぁ…なんて思いながら見つめていると、中村先輩とバチコン目が合った。
その目線は「てめぇ早く持ち場戻れ」と言う目線に変わったので慌ててフロアへ入った。
「お姉さん、このあと暇?」
えーーーーっと…この対処法は知らないぞ…?
私は今、大ピンチのようだ。
目の前には少しチャラチャラした雰囲気の2人組の男性客。
ニヤニヤと笑いながら声を掛けてくる。
『えーっと…その…』
注文取りに来ただけなのに!!!
ただ目の前のお兄さん達を無下にすると後々怖い気もしたので上手く答えが言えない。
頭も回らない。
困っている視線の片隅で吉野先輩がこちらに向かってくるのが見えた。
は!吉野先輩助けて!!
と思ったら中村先輩に制され、代わりに中村先輩がこちらに向かってきた。
「…すいません、お客様。店内でそのような行為は困ります」
さっと私を背に隠すように前に立ちはだかり、ビシリと言い放った。
「あ?お前に聞いてねぇんだよ」
目の前の男性2人はギロリと目を釣り上げて中村先輩を睨むが、先輩は全く怯まず寧ろ睨み返す程。
それが気に食わなかったのだろう。
テーブルに置かれた水の入ったコップを勢いよく中村先輩に吹っかけるとブツブツと文句を言いながら男達は出ていった。
『せ、先輩…!!』
先輩はムスッとした顔をしていて、不味いまた何か言われる、と身構えるとポンポン、と私の頭を撫でるとそのまま裏へと入っていった。
突然の出来事に動けずにいると吉野先輩がタオルを持ってきてくれて「これ友哉に渡してきてくれる?」と声を掛けてくれた。
吉野先輩に深くお辞儀するとそのまま中村先輩が入っていったロッカールームへ向かった。
『先輩!!』
ノックもせず勢いで入るとそこには着替える為か上半身裸の先輩がいて、思わず口をパクパクさせたまま固まってしまった。
「あ、タオル。サンキュ」
スっと私の手からタオルを引き抜くと、そのままの格好で濡れた髪をガシガシと乾かし始めた。
なんだか見てはいけない気がしたので背を向けたまま口を開く。
『あの、ありがとうございます…助けてくれて』
ふと気付くと隣にはまだ半裸の先輩が立っていて、動けずにいるとそのまま耳元でそっと囁かれた。
「今日一緒に飯行くから。逃げんなよ」
私は顔を赤くしたまま頷くしか出来ない。
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ヨウ(プロフ) - ななみさん» そう言っていただけて良かったですー!また続編の方にも遊びに来ていただけると嬉しいです! (2019年6月25日 0時) (レス) id: 523a836345 (このIDを非表示/違反報告)
ななみ(プロフ) - キュンキュンしちゃいました〜!すっごく読みやすい文章で大好きです!ありがとうございます! (2019年6月20日 22時) (レス) id: d77610da69 (このIDを非表示/違反報告)
ヨウ(プロフ) - なぁさん» いつもありがとうございます!中村先輩、まだキャラがブレブレで申し訳ないです…続編頑張りますね! (2019年6月20日 21時) (レス) id: 523a836345 (このIDを非表示/違反報告)
ヨウ(プロフ) - ななみさん» ありがとうございます!寛太先生続編書かせていただきました!期待に添えたものではなかったら申し訳ありません…また遊びに来ていただけると嬉しいです! (2019年6月20日 21時) (レス) id: 523a836345 (このIDを非表示/違反報告)
ヨウ(プロフ) - Mrs.ぱんぷきんさん» リクエストにお答え出来るようなお話書けるか分かりませんが…はたらくおにいさん。の橙くんはツンツンキャラが多かったので頑張ってみますね! (2019年6月20日 21時) (レス) id: 523a836345 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヨウ | 作成日時:2019年4月21日 1時