はたらくおにいさん。

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私とりょうが楽しく会話していると、それまで私を挟んで騒いでいた2人がピタッと騒ぐのを止めた。


「ちょっとA！なんでりょうのオススメなんてお願いするの！俺のAなんだから俺のオススメにしてよー！」
『だってアンタ、ただただバカ高いお酒頼むんだもん。りょうはちゃんと私の好み知っててくれてるし。ねぇ？りょう』
「そうだね、てつやより詳しいかも」
「んなわけあるかー！」
「Aさん、俺もなんか頼んでいい？」
『としみつとてつやはウーロン茶にでもしときなさい。酒入ると余計うるさくなるから』
「えー！？そりゃないよA〜…お前と一緒に飲むのが楽しみなんだからさぁ…」
『私と飲むのが楽しみなら、お酒もウーロン茶も変わらないんじゃない？』
「………本当、A意地悪だ…」


てつやは拗ねたのかつーん！と顔を背ける。
あー、もうこの男本当にめんどくさい…
としみつはとしみつで勝手に酒頼んでるし…


4人でまだお酒も入る前なのに騒いでいると、ボーイから声を掛けられる。


「てつやさん、あちらのお客様が…」
「あー、今行くー」


先程まで拗ねていたてつやはクルリとこちらを向くと私の頬にチュッと唇を寄せる。


「ちょっとだけ顔出して来るわ。A浮気したらダメだからね」
『はいはい』


ひらひらと手を振っててつやを見送る。
あんなのでもNo.1なのだから、世も末だ。


『……なんか、アイツがNo.1って不思議』
「Aさん、それ本当今更すぎ」


そう言ってとしみつは酒を煽るとゲラゲラ笑う。


『だって、No.1って言ったらりょうみたいなのが人気ありそうじゃない？』
「えー？でも俺、あんまり順位とか興味ないからなぁ…」
「まぁーたそんなこと言って！！No.2の癖によ！」
「なりたくてなってるんじゃないの。姫達がしてくれてるの」
「あーうぜぇ！」
『はいはい、としみつ落ち着きなさい』


ぽんぽん、ととしみつの頭を撫でると私は鞄から煙草を出す。
するとすぐにりょうがライターを取り出してくれた。
こういうところだ、りょうの魅了は。
煙草を吹かしながら2人と他愛もない話をしていると、ぐいっと後ろから手が伸びてくる。


「……ちょっと。俺以外の男と仲良くし過ぎ」
『あら。おかえり』


ソファを回るってりょうを端に追いやると空いた私の隣のスペースにてつやは座った。

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