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吊×看護師 ページ25

24時間。365日。
窓の外の景色は変わっても、私のいるこの部屋は、何一つ変わらない。
左手の点滴。もう何度変えたっけ?
点滴を刺した跡だらけ。
そろそろ右腕に移動しなきゃかな。
私は今日も、この個室から外を眺める。






個室のドアがガラリと開く音がする。

「Aさーん。検温するよー」

ガラガラとパソコンとその他諸々の機材を乗せたワゴンを運びながらこちらに近付いてくる看護師。
最近この病院に来た新しい看護師さんだ。
名前は知らない。
自己紹介、まともに聞いてなかったし。
でも取り敢えず目が吊りあがってるから、私は「ツリメ」って呼んでる。
でも、ツリメって呼ぶとやめてー!って怒るんだけどね。
渡された体温計を脇に挟み検温する。
無言の部屋にはカチカチと時計の針が進む音とツリメが弄るパソコンのマウスのクリック音だけが響いてる。
ツリメのこと見てるのもつまんないし、ぼーっと窓の外を見た。
今日は、少し曇ってるけど晴れてるみたい。



ぴぴぴ…


検温を測り終わった合図がなりスっと脇から体温計を取り出す。
見ずにツリメに渡すと、ツリメは文字盤を覗き込んだ。


「37.5℃かー。ちょっと高いねぇ…」


そう独りごちるとパソコンに記録する。


「体はー?ダルい?」
『んー、いつもと変わらないかも』
「そっかぁ…点滴は?大丈夫そう?」
『……大丈夫じゃない。早く抜きたい』
「はは、そんだけ口が言えるなら大丈夫かな」


そう言って笑顔を見せたツリメ。
……全然大丈夫じゃないし。


「あとー30分くらいしたら先生巡回しに来ると思うから。この間の検査の結果も多分話あると思う」
『はぁーい』


ぽすん、とまたベッドに戻り頭から布団を被る。
ガラガラとワゴンを押し部屋を出ていこうとするツリメの背中に、声を掛けた。


『ねぇ、ツリメ』
「ちょっと!もうその変なあだ名で呼ぶのやめようよー!」
『……外出たい。外出許可、聞いてくれた?』


布団を被っていても、ツリメの動きが止まったのが嫌でもわかった。


「……今日、その話も先生からあると思うよ」


外出れるといいね。
そう言ってツリメは私の病室を出ていった。


『………嘘つき』


今の状態の私が、外なんて出れるわけないって、分かってるくせに。
でも、それを1番理解していて、信じないのは私だ。
1番の嘘つきは、一体誰だろう。

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ヨウ(プロフ) - ななみさん» そう言っていただけて良かったですー!また続編の方にも遊びに来ていただけると嬉しいです! (2019年6月25日 0時) (レス) id: 523a836345 (このIDを非表示/違反報告)
ななみ(プロフ) - キュンキュンしちゃいました〜!すっごく読みやすい文章で大好きです!ありがとうございます! (2019年6月20日 22時) (レス) id: d77610da69 (このIDを非表示/違反報告)
ヨウ(プロフ) - なぁさん» いつもありがとうございます!中村先輩、まだキャラがブレブレで申し訳ないです…続編頑張りますね! (2019年6月20日 21時) (レス) id: 523a836345 (このIDを非表示/違反報告)
ヨウ(プロフ) - ななみさん» ありがとうございます!寛太先生続編書かせていただきました!期待に添えたものではなかったら申し訳ありません…また遊びに来ていただけると嬉しいです! (2019年6月20日 21時) (レス) id: 523a836345 (このIDを非表示/違反報告)
ヨウ(プロフ) - Mrs.ぱんぷきんさん» リクエストにお答え出来るようなお話書けるか分かりませんが…はたらくおにいさん。の橙くんはツンツンキャラが多かったので頑張ってみますね! (2019年6月20日 21時) (レス) id: 523a836345 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヨウ | 作成日時:2019年4月21日 1時

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