弍、幽霊さんと同居生活 ページ5
ym side
窓から差し込む光が眩しく反射的に目を瞑る。
その間に聞こえてきた声に耳を疑った。
「えっと…今、なんて…?」
侑「えー?聞き取れなかったの?居候させて?」
正直聞き取れる以前の問題ではない。
幽霊と同居生活とは。自分に問いかけたくなる。
慧「お願いよー。」
「でも、どうして家に…?」
不思議だった。今まで何度か幽霊と話したことはあったが、こんなことは初めてだ。
慧「長時間外にいるのも疲れる訳でさー。お盆の時期に見つかるとさ、お祓いさせられちゃうし…。」
侑「幽霊も色々あって大変なんだもん。見つかると叫ばれちゃうし。こっちだっていい気分しないのに。」
「う、うん。でも、どうして俺…?」
慧「それは…」
と、イノオさんが言いかけたとき薮先生が戻ってきた。
宏「…山田?気分はどうだ?」
「あ、大分よくなりました。ありがとうございます。」
まだ怠さは残るものの、動けるくらいには回復した。
宏「今一人で帰すのも怖いし、もう少しここで休んでいきな?…俺、授業あるから当分抜けるけど…一人で大丈夫?」
そう。一人ではない。側から見たら一人だけれど。
「大丈夫です。」
宏「よし。…あ、養護の先生今日休みだから…何かあったら職員室に行けよ?分かったな?」
「はい。」
宏「じゃあ、これだけ渡しとくから。」
てのひらに落とされたのは、御守り。
「…えっ?」
宏「まぁ念の為…な?じゃ、寝てろよ!おやすみ!」
そう言って軽快に保健室から出て行った。
侑「んー!リョースケそれやだ!」
慧「それ離してー。」
「えっ、あっ、御守り。」
二人がそう言うものだから、咄嗟に貰った御守りを鞄の中にしまった。
慧「まぁ、今ので大分分かったとは思うけど…こんな感じでさ、御守り持つ人からは変な刺激与えられて動きづらくなるし…」
侑「僕たち別に何もする気ないのにお祓いさせられそうになったり、叫ばれたり…特に夏は怖いの。」
人間には人間の事情があるように、幽霊にも幽霊の事情があるんだとか。
朝練が終わった頃だろう。外からは運動部の声が聞こえ、何だか騒がしい。
それを横目に見るチネンさんは少し悲しい目をする。
先程まで聞こえていた、校内に響き渡る楽器の音に耳を傾けていたイノオさんもどことなく悲し気に映る。
だから、なんだか不思議な感覚で。
「分かりました。…居候、してもいいですよ…?」
そう答えていた。
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さき(プロフ) - ciaociaoさん» コメントありがとうございます……!削除する予定なのは謝罪のページのみなので、大変お待たせしてしまいましたが今後も更新させていただきます(>_<)紛らわしい書き方をしてしまい申し訳ないです。お気持ちとても嬉しいです!今後もよろしくお願いします! (8月4日 11時) (レス) @page29 id: 7b1fe2d542 (このIDを非表示/違反報告)
ciaociao(プロフ) - Twitterにおしらせいただいたので、久しぶりに読ませていただきました。もう続きを投稿いただけないとのことで残念です、、お気持ち変わりませんでしょうか、、 (8月4日 7時) (レス) @page29 id: 33ff52010d (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - めいめいさん» わぁぁ!ありがとうございます!返信遅くなってしまい申し訳ございません……また近々更新します! (2022年6月5日 0時) (レス) id: 7b1fe2d542 (このIDを非表示/違反報告)
めいめい(プロフ) - いつも読ませてもらってます。更新楽しみにしてます!!! (2022年5月19日 21時) (レス) @page27 id: 3da430cefd (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - 桃大福さん» 返信遅くなってしまいすみません…。そういっていただけるとモチベーション凄くあがります!!ありがとうございます! (2021年3月11日 13時) (レス) id: 7b1fe2d542 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さき | 作成日時:2020年8月8日 1時