幽霊さんと暮らした一夏に。

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ym side



気がつくと保健室にいた。



どうやら幽霊さんが助けてくれたらしい。



正直安心した。悪い幽霊さんでは無かったようだ。



ある時から、幽霊というものが見えるようになった。



それも夏の時期だけ。



毎年夏になると、道端で人を見るのも怖かった。



「あの…、どうしてここの学校の制服を…？」



？「あー…ここの学校の元生徒なもんでね。」



この幽霊さんはずっとニコニコと笑って答える。



？「ヤマダは？どうしてあんな時間に…？」


「えっと……っていうか名前どうして！？」


？「ほら、さっき薮と話してたから…てへっ。」


「…幽霊さんのお名前は…？」


？「生前の名前はイノオケイって言うよ。」


「幽霊さんって名前変わるんですか…？」


慧「んー…よく分かんない！だって面倒くさいじゃん！…人によるって感じかな…！」


「そうなんですか？」



慧「ごめん、テキトー。」



なかなか面白い幽霊さんだ。




窓の空いていない空間でカーテンがふわりと風に当たったように揺れる。



キラキラと輝く木漏れ日を纏うように人が歩いてきた。




壁をすり抜けて。




「…へっ！？」



？「えっ？…いのおちゃん…どういうこと？この人見えてんの？」



慧「なんか、見えてるらしい。へへっ。」



？「いや、へへっ。じゃないから。」




イノオさんの横には可愛らしい顔をした少し小さな男の子がいた。



？「あーと…チネンユウリっていいます。…この人と同じく幽霊です。」



「あっ、えっと、ヤマダ…！」



名前を言おうとしたとき、チネンさんは俺の口元に指を当てて止めた。



侑「そんなに軽々しく幽霊に名前言っちゃダーメ！」



慧「まぁ、悪用する幽霊も沢山いるからねー？」



「えっ…あっ、そうなんですか…。」



するとチネンさんはこちらを向きニヒッと笑う。



侑「そうだよ。…リョースケ。」



「…へっ！？」



侑「まぁ安心して？僕は悪用するつもりは毛頭ないしなんならリョースケのこと気に入っちゃったし。」



慧「なんで名前分かったの？」



侑「ほら、さっき知らない人が、来室したら書く…問診票？にリョースケの名前書いてたから。」



そう満足気に笑うと、いきなりこちらに駆け寄った。




侑「ふーん。…合格。」


「えっと…？」


慧「確かに合格かも…。」




なんだか訳の分からない会話をしだす二人に首を傾げていたとき、




侑「ねぇ…今日からリョースケの家に居候させて？」

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