犬系女子と飼い主系男子【梵天】

煙草 ページ34

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しばらくかかって、
蘭ちゃんはようやく不機嫌面で半身を起こした。




前髪をかき上げながら煙草に火をつける姿は、
やっぱり大人だなあとちょっと見惚れてしまう。






『……おいしい？それ』






寝起きに一服は欠かさないくらいだから、
煙草っていうのはそんなに良いものなんだろうか。






蘭「んー？気になる？」


『うん、ちょっとだけ』


蘭「しょーがねえなぁ」






蘭ちゃんはそう言って、私を引き寄せるなり、
柔らかく唇を重ねてきた。




びっくりしたから一瞬だけど、
口の中は少し苦い味がして。






蘭「な、おいしくねーだろ」


『……うん。え、ていうか、キスした』


蘭「俺の犬だもん。キスぐらいすんだろ」






いや、そういうことじゃなくて。




「Aにキス禁止令」なるものを
教えてくれたのはあなたなんですけど。




そんな簡単に破っちゃってよかったの？






……まあ、とりあえず、万次郎には黙っとこう。




ろくなことにならない気がする。







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