犬系女子と飼い主系男子【梵天】

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竜胆「……あ？起きてんじゃん」


『……りんどー……』






ぶわ、恥ずかしさで一気に顔が真っ赤になって、
涙が浮かんだ。




どうしよう、どうしよう。


竜胆に見られた。絶対嫌われる。




竜胆は黙ってこっちを見下ろしていたけど、
その目が優しく緩められた。







竜胆「そんな布団被って暑くねえの？」


『う、うん……』






何事もなかったように私に背を向ける形で、
ポケットに手を入れたままベッドに腰掛ける。



空いた片手で徐にするりと頭を撫でられると、
もうダメだった。




涙が溢れて、ぼろぼろ溢れた。






竜胆「なに泣いてんだコラ」


『……うっ、うっ……もうやだぁ、』


竜胆「おいで」


『……おいでとか言わないで』


竜胆「何でだよ」






しゃくり上げる私を布団から引きずり上げて、
膝の上に抱っこしてくれる。




竜胆の肩に顔を埋めて
トントンと背中を叩かれていると、
不思議なことに辛い感情が消えていく気がした。






竜胆「……あとどんくらいで終わるんだ」






盛りの時期のことだろう。






『……わかんない、……でももうすぐ、』


竜胆「そうか。じゃあ、もうちょっと頑張ろうな……」






そう言って、優しく優しく、抱きしめられた。




心も身体も、これまでにないくらい
安堵していくのがわかった。




何だ、この優男。大好きだ。




ぎゅううーっと馬鹿みたいに強く抱きしめ返したら、
ぺしんと頭を叩かれた。







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