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キスさせない理由 ページ23

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*続いて過去編



佐野万次郎side





Aはここに来てから、ずっと逃げたがっていた。



アイツは俺の犬だから、逃げ出せば当然連れ戻すし、
お仕置きをして閉じ込める。



しかし彼女はそんなもので言うことを聞く
馬鹿じゃなかった。



本当に俺から逃げられる手段を持っていた。


自分で手首を切ったのだ。



残ったのは、痛々しい傷跡。



無理やり皮膚を裂かれたような赤い線は、
見ているこちらが痛みを覚えるほどだった。






万次郎「……オマエの白肌が好きだったのに。

俺を怒らせるのがそんなに好きか?」






逃げようとするAの両手首を掴み、
骨が軋むほど力を込める。






『痛い、離してっ……!』


万次郎「痛くしないとお仕置きになんねーだろ」


『やめて、おねがい、』


万次郎「じゃあ、オマエが自分のためじゃなくて、
俺のために死ねるなら許す」






ひゅ、とAの喉が鳴った。


パニックになったのか、
引きつるような呼吸に変わる。



床にへたり込んだ彼女を冷たい目で見下ろした。






『はっ、ぁ、たす、けて、』


万次郎「死にてえんだろ?見ててやるよ」


『や、しに、たくな、けほっ、ひゅぅ、』


万次郎「俺を置いていこうとしたくせに」






息が足りないのだろう。


はくはくと吸うばかりのAの鼻を摘んで
一旦呼吸を止めさせ、唇を塞ぎ息を吹き込んだ。



俺の吐息でAの肺がいっぱいになっていると
思うと、これほど幸せなことはなかった。






万次郎「なあ、俺オマエが好き。

俺がいなきゃ生きらんねえオマエが好き、」






口付けながら、涙で濡れた冷たい頬に手をあてる。
自分の体温で彼女が温まればいい。



全ての熱を与えてやってもいいんだ。
できることなら。







.




マイキーくんが夢主ちゃんの唇に
執着する理由がこれです(^^)

サカリ  with三途春千夜 *→←出会い



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東卍京 - 梵天の作品はやっぱりいいですよね。 (10月31日 17時) (レス) @page35 id: cee3cd750d (このIDを非表示/違反報告)
清花。(プロフ) - シーチキンさん» ひいい!って叫びたくなりますよね(゚∀゚)笑 (2021年10月12日 11時) (レス) id: cf6bd6deb7 (このIDを非表示/違反報告)
シーチキン(プロフ) - 最高すぎて!!!!蘭ちゃぁあーん!! (2021年10月11日 18時) (レス) @page43 id: 05900c9320 (このIDを非表示/違反報告)
清花。(プロフ) - YULA.さん» 初めまして!ゾクゾクしていただけて嬉しいです〜!!頑張ります!! (2021年10月10日 9時) (レス) id: cf6bd6deb7 (このIDを非表示/違反報告)
清花。(プロフ) - あやさん» 嬉しいですすすす!!頑張ります!! (2021年10月10日 9時) (レス) id: cf6bd6deb7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:清花。 | 作成日時:2021年9月16日 18時

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