赤色に染まる白の君 (ページ36)

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🐙仕事を増やすなお願いだからページ36

エイトフットside

例の話し合いから数日…特に変わりなく毎日が続いている。
マルフィは相変わらずナルシスト、林檎もいつも通り菓子作り毒作り、あのうるさいトランプも薔薇の色塗りでワンダーランド。あ、俺？俺も相変わらず書類の山と格闘中だ。でも今日は仲間が居るんだぜ？そう、コイツだ。

『………………今何時だ』
「知らねぇ～、もう目が霞んで見えねぇよぉ～」

そ、例のトランプ兵が今日のお仲間だ。コイツは今自分の国で行われた処刑の報告書やら雑務の書類やらで同じぐらいの書類の山に囲まれている。つまり、仲間。

「(つーかよぉ～絶対コイツこんな事になるなんて思わずにトランプ兵なっただろぉ…)」

人間だったら死んでるぞこの量は。うちも死ぬ量だけどよぉ～…

「生きてるか～」
『ナメるなよジョー…僕は一番優秀なトランプ兵だぞ……』
「優秀って言う割にはペン逆さに持ってるじゃねぇかよぉ」
『お前こそその貝のペンにインクついてないまま書いてるじゃないか……』
「……」
『……』
「ふふ、ふふふ……」
『ははは……はは……』

あ～……もうなんかコイツがどうとか別にもうどうでも良くねぇか～？同じ仕事人間、いや、仕事人外だしよぉ～……

「あ～……休みたくても休めねぇ～…」
『……僕はやるぞ……』
「あ～？偉いなぁ優秀さんよぉ、そんなに仕事が好きかぁ？」
『…優秀であることが僕の存在意義だからね…』

…ほぉ～…？存在意義、ねぇ～……

「(何があってこうなったかは知らねぇが…)」

そんな言葉、滅多に出ねぇことは確かだ。

「…まぁ……適度に休めよ…？ぶっ倒れでもしたら俺がジャックにどやされるからなぁ」
『分かってるよ……後はこの書類を書いて、あ…時計狂ってるじゃないか……バターとジャム…』
「おいおいおい奇行に走るなワンダー人間～、その時計は狂ってねぇよ～」

ふらふらと立ち上がってバターとジャム取りに行きかけるエースをタコ足で拘束して椅子に座らせると、ソイツは『薔薇のはーなをー…赤く塗ろうよー…』なんて歌いながら天を仰いでガリガリと書類にペンを突き立て始めた。駄目だぁ、いつも以上に頭のネジが飛んでやがるぅ……

「…終わったらパスタでも作ってやるからよぉ、もう少し自我を保てぇ～…」
『……ジョォー……』
「あー…？」
『インク零した…』
「はぁ！？」

って、俺の書類にまでかかってるじゃねぇかよ！だーっもう！！
仕事をこれ以上増やすんじゃねぇよぉ～…！！