❤初めての体験 ページ35
ジャックside
さっきから何が何だか全く分からない……。首輪を外すことを諦めた僕達は、とりあえず部屋の中に何があるか探索することにした。時計も何も無いからまぁ…体感で5分。そのぐらい経った時、アップルがベッド下から何かを見つけて取り出してきたんだ。
「……これ何」
「さぁ?」
『飲み物……?』
それは小さな小瓶だった。薄ピンク色の液体が入っている小瓶が3つ。まるで僕達用にあらかじめ用意されていたかのような本数に、思わず顔を顰めた。
「完全に誰かが意図的に僕達を閉じ込めてるよね、これ」
「毒の匂いはしないが、何かしら作用はあるだろうな」
アップルが毒じゃないって言うなら違うんだろうけど、明らかに怪しい。一つ手にして蓋を開けてから、僕は小さく溜息をついた。
「おい毒林檎」
「何だちびトランプ」
「これ、僕とお前で飲むぞ」
「奇遇だな、同じことを思ってたところだ」
『え、え!?大丈夫なのそれ!?』
「でもエースに飲ませられないし、何かあったら任せたよ」
アップルは毒効かないし、僕もエースもこの手の物には耐性がある。何かあった時に正常な人が一人居ないといけないから、1番しっかりしてるエースを残しておいた方がいいだろう。
小さな小瓶の蓋を開けて、1つの中身を2つの瓶に分ける。少し量の増した怪しい液体を、僕とアップルは同時に飲み干した。
うわっ、何これ……甘ったるいシロップみたいな味がする……
『だ、大丈夫……?』
「今の所は何も……お前は?」
「特には」
うーん……甘いシロップだったのか?それにしては周りに変化も無いし、鍵になるアイテムって訳でも………
…………あ、あれ…?
「(身体が……っ)」
ドクンッと心音がして、途端に身体が熱くなる。何だか全身がムズムズして、僕は思わず上着のボタンを外した。
『ジャック…?』
「なんか、暑くない?」
『いや、暑くないけど………、ま、まさか毒だった!?』
「毒だったら僕達効かな、ひっ!?」
な、何…っ!?突然、ビリビリッて刺激が……っ
『ジャック…!?』
心配して近寄ってきたエースが僕の肩に触る。途端にその衝撃が全身に伝わって、凄い気持ちいい刺激が体を駆け巡った。
「っあぁ!?♡」
『…!?』
な、なにこれ、なにこれっ………?ぼく、変になっちゃった……っ?
チカチカする視界の中、声をかけてくれるエースにしがみつくように掴まって、そのままぐったりと寄りかかってしまう。こ、こんなの、初めてだぞ…っ
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作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2022年10月31日 1時