検索窓
今日:13 hit、昨日:18 hit、合計:7,863 hit

🍎子供のような大人 ページ29

アップルside

『ほんと、困っちゃうよね!』

そう言って私のベッドに寝転がって拗ねるエースに、「お前が駄々を捏ねるからだ」と冷静に返す。どうやら点検が終わったのだろう、突然エースが私の部屋に来て『聞いてよアップル!』と愚痴を呟きに来ていた。ジャックやマルフィの部屋に行かなかったのは、大方愚痴の原因がその2人だからだろう。

『ジャックは人間の前に僕を座らせるし、マルフィはママだし……僕は子供じゃない!』
「今現在子供っぽいが?」

ブーブーと口を尖らせてコロコロと転がるエースを見ながらそう言うと、やつは『アップルまで!?』と上体を起こしてむっと頬を膨らませた。そういう所だぞ。

「…お前は面白いな。普段は静かで理性的だと言うのに、ふとした時に子供らしくなる」

『だから子供じゃない!』と吠えるエースの元に行き、ベッドの縁に座りつつ額にキスをする。ポカンと止まるエースを見て、小さく笑ってやった。

「おっと、お子様には刺激が強すぎたか」

エースがムッと顔を顰める。私の腕を掴むと、上目遣い気味に顔を近づけてきた。

『子供じゃないって言ってるだろ』

……少しは落ち着いてきたか。そのまま軽くキスをすれば、1度離れた唇にまたキスをされ、深く深く口付ける。軽く舌を触れ合わせて離れれば、エースは私の胸に額をつけて抱きついてきた。

『子供はこんなことしない……』
「分かった分かった。そう拗ねるな」

背中を優しく叩けばまだ少し拗ねた顔でじっと見てくるエースを、優しく頭を撫でてあやす。そうすると途端に頬を緩めて擦り寄るように甘えてきた。

「ジャックともこんな風にしているのか?」
『んー……ジャックはほら、物語の作者の関係で進みが遅いから……』
「成程……」

子供の夢から作られた存在だと、知識もそちらに引っ張られるのだろう。…ということは、今のところ私が段階的には先に進んでいるということか。

「(手を出してもいいが、そうなると煩く喚くだろうな…)」

あのトランプ兵が喚く様を思い浮かべながらエースの頬を撫でる。左頬のハートマークに触れれば、エースはへニャリと笑った。

『でも二人とこうしてる時間も好きだよ、僕』
「…そうか」

本当にお前は……、子供のように愛らしいな。

🐶そう言えばさ→←🖤隠してたわけじゃないけどね



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (15 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
22人がお気に入り
設定タグ:ヴィランズ手下 , 男主 , ディズニー   
作品ジャンル:ファンタジー
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2022年10月31日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。