だらしない妻と神経質な夫

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調子に乗ってペアルックで来たにも関わらずお揃いのカチューシャにお揃いのサングラス付けてリア充とかしてます。


『うひひっ、リア充がやること全部やってやったわ！』

カ｢今日の唇かわいい｣

『寛太が前にそう言ってくれたパープルのグロス塗ったの』

カ｢パープルっぽくないね？｣

『パープルの細かいラメが入ってんの』

カ｢太陽の光で色が違って見えるの可愛い。Aの瞳と一緒だ。｣

『私ヘーゼルグリーンの瞳だから光が入ってくる角度で変わるの』

カ｢俺Aのその目が苦手だった｣

『え...なんで...？』

カ｢俺の心の中全部見透かしてますよって目力だったもん。囚われちゃった！って思う。毎回見つめられるとソワソワする。｣

『何それ...ちょっと嬉しい。』

カ｢Aらしくてすっごく綺麗｣

『もう...褒めすぎだし...』


照れくさそうにそっぽ向く彼女が可愛くて大声で自慢したい。俺のお嫁さん最高に可愛いよって。

照れちゃうとすぐそっぽ向いて繋いでる腕を揺らし始める癖、でもその後俺が喋んないの気になってちょっと覗き見する癖、そして俺が見つめてたことに気付いてまた頬を染める癖。こうやって好きな人の癖見つけられるのって超幸せなんだって思った。ちょっと俺今曲書けそうだったわ。


『なにもー！なんかしゃべれぇ！』

カ｢今俺がお嫁さん慈しんでる時間なんだけど｣

『そんなのホテルで出来るし！』

カ｢ホテルでは動画撮りたいもん｣

『もうもうもう！何乗るの？』

カ｢スペースマウンテン｣

『ねぇ！？前乗って怖かったじゃん！』

カ｢怖がってるの可愛いんだもん｣

『意地悪！！』


とか言いながら進行方向はスペースマウンテンへと移る。嗚呼こういう所...伝わるかな？ぎゅうって心が雑巾絞りみたいに捻られて俺の愛情搾り取られてる気分になるんだよ。

長い時間これから並ばなきゃいけないのにゆっくり話せるなぁとか思っちゃう俺。この子の虜過ぎて苦しい。


カ｢あー苦しっ...｣

『何さ』

カ｢なんもない、サングラス外していい？｣

『いいよ、暗いから』

カ｢Aは外さないの？｣

『私瞳明るいから入ってくる光の量が多いの。暗いところでも見えてる。っていう説か、寛太に手を引いて欲しいからサングラスかけてる。って説どっちがいい？』

カ｢後者でお願いします｣

『かしこまりました』

カ｢胸が痛い...｣

『なんでだよ』

カ｢可愛いテロすんな｣

『してないよおばか』

カ｢どう考えてもそれだろ｣

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