だらしない妻と神経質な夫

＊ ページ29

カ｢...A？傷付けないから近寄ってもいい？｣


怯えながらもコクコクと頷くAにビビらせないようにゆっくりと近寄る。


カ｢手錠の鍵どこに隠されたか分かる？｣

『わ、わかんな...』

カ｢ごめん...ごめんな...｣

『ごめんな、さ...よごれちゃった...』

カ｢綺麗だよ...大丈夫だから...｣


自分が羽織ってた服をAに着せて、手錠の鍵を探すけど、持って行ったのか見当たる所には無い。


カ｢A...抱き締めたいんだけど嫌かな？｣

『だめ...もうカンタくんに触っていい私じゃない...』

カ｢違うよ？Aの価値は俺が一番わかってる。一緒に乗り越えたいの、お願い...俺に抱き締めさせて欲しい。｣


ボロボロ涙を流して頷くAをぎゅっと引き寄せた。見た所最後まではされてない。上半身はどう見ても無事じゃないけど...


カ｢病院...行ける？｣

『さっきの産婦人科...時間外かもしれないけど...電話する...』

カ｢俺がしようか？｣

『出来る...』


ペちペちと頬を優しく叩いたAに携帯を渡すと産婦人科に電話をかけた。今無理やりされかけて...と電話をする彼女に俺は何が出来るんだろう？時間外だけど受け入れますって言って貰えてAを支えて見知らぬ家を出る。車に乗り込むとふぅさんがAを抱き締めた。


ふ｢チーちゃ...ん｣

『ごめん...なさい...心配かけて...』

ふ｢なんで謝るのぉ！大丈夫なんて言えないけど、私は絶対味方だからね！｣

『ありがと...』

ト｢わり...あいつら逃がしちまった...｣

カ｢いや、A第1だから...｣

ト｢お前かっこいい顔になってるぞ｣

カ｢ほんと？なんかちょっとピリピリすると思った｣


キイチに産婦人科まで運転して貰って、中に入ると俺まで治療して下さって、喧嘩に負けましたみたいなダサいガーゼが貼られた。Aは医者に二次被害を無くすために聞かれて嫌な気持ちになったらすぐに言ってくださいって言われて軽い説明を受けるらしい。全てが終わった頃にはペンチによって彼女の手は解放されてて、俺のスウェットを着せて服は密閉袋に入れてもらった。

全てが終わって帰宅するとAはお風呂に入るって。Pさんとまんずに軽い説明をして、出てくるのを待った


ト｢...動画どうする？｣

カ｢俺らが変に辞めた方が自分を責めるよ。今まで通り毎日投稿する。｣

ト｢その傷はどうすんだよ｣

カ｢俺さっき階段から落ちた｣

ト｢はぁ...わかった。｣

大丈夫→←＊

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