だらしない妻と神経質な夫

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『でもふぅちゃん心配だから料理したいんだよね？』

ふ｢うん...｣


すっごく下手な隠し撮りに気付いてるのはどうやら私だけで、ふぅちゃんは気付いてないらしい。


『私はね、ふぅちゃんと違って、いかに要領よく人に気に入られるかっていうのを気にして生きてきたの。私のレシピノートもそういうこと。書いとけば後々好きな物の系統が分かるでしょ？例えばカンタくんは嫌いなものが入ってるって分かれば絶対に食べない。富永さんは野菜が嫌いな訳じゃなくて肉の方が美味いと思ってる。そういうのが分かればさ作りやすいじゃん？』

ふ｢私はそこまでともくんのこと見れてない...｣

『その分富永さんがふぅちゃんのこと見てるからいいじゃん。』

ふ｢でもしてもらってばっかだもん！｣

『富永さんの後輩してた私がちょっと教えてあげるけどね、富永さんは何かしてもらう事より自分の為に好きな人がなにかお返ししたいなって考えてる時間の方が何倍も嬉しいタイプだよ？ふぅちゃんが今こうやって富永さんに何したら喜んでくれるかなぁ？って考えてる時間だけで富永さんお腹いっぱいだと思う笑』

ふ｢でもでも...｣

『もー、そんな顔しないで？ちゃんと上手に出来るようになるまで付き添うから。ね？』

ふ｢ほんと？絶対だよ？｣

『ほんと。だってほっといたらキッチン爆発して無くなっちゃう』

ふ｢あーー！！！今いい事言ってくれたと思ったのに！！結局disだったしぃ！！｣

『静かにしなきゃ富永さんにその焦げ焦げの失敗作見られちゃうよ？』

ふ｢や、やだ！！｣


慌てて頬張ったふぅちゃんだけど、凄い顔になってる


ふ｢ま、不味い...｣

『肉料理が不味いって分かれば富永さん肉食うの辞めるかもよ？食べてもらう？』

ふ｢やだ！！絶対にダメ！ともくんには美味しいの食べて欲しいの！！｣

『ですってよ富永さん』

ト｢やっぱりバレてたか...｣

ふ｢い、いつから居たの！？｣

ト｢油が跳ねるくだりから｣

ふ｢チーちゃん！！なんで言ってくんないの！？｣

『隠し撮りされたら教えてねって先言ってもらわないと』

ふ｢もう...恥ずかしい...｣

ト｢俺もハムカツ食べたい｣

ふ｢ダメ！絶対にダメ！！｣

ト｢ふぅが作ったの食べたい｣

ふ｢不味いからダメだよ...｣

ト｢ふぅが初めて作ったハムカツでしょ？俺は食べる権利貰えないの？｣

ふ｢う...そんな言い方ずるい！！｣

ト｢ずるくて結構。｣

『なんだただのリア充か』

カ｢いい仕事したじゃん笑｣

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