に は いち ふぉー ページ5
日が暮れたころに家に帰って、ちょっと早めのお夕飯を食べていると、
二番煎じ迎え来て
という、突然のラインに目を丸くする。
普段目的がはっきりしてないとラインしてこないのに。
Aどうしたの?
二番煎じ来ればわかる。良いから迎え来て
強引な……
食べるのに使っていた食器を片付けて、お財布と鍵、スマホだけ持って家を出る。
送られてきたスタジオ名は、何時もめせもあが使っていると言っていたスタジオだった。
確か結構近かったよな……
A「ここを左……」
気まぐれﾌﾟﾘﾝｽ「あ、Aちゃん！」
左に曲がった瞬間、ぶつかりそうになったぷんちゃんが私の手首を掴んだ。
気まぐれﾌﾟﾘﾝｽ「二番君、骨折しちゃったんよ！」
A「へ……！？」
骨折って骨折！？
手を引かれながらスタジオの一室に入ると、壁に凭れ掛かって座っている二番君が、チラッと私を見た。
二番煎じ「あ、来た」
A「来た、じゃないよ！骨折ってなんで……」
しかも、処置がされているのは左足。
松葉杖が隣に放り出されている。
二番煎じ「何か落ちてきた」
A「落ちてきたって何が……」
皆が黙っていた中、答えてくれたのはにーちゃんだった。
にーちゃん「……実は、鉄パイプが落とされて……」
落とされた……？
A「それって意図的に誰かが落としたってことですか？」
とみたけ「あ、いや……姉ちゃん！取り合えず二番君を……」
A「聞いたことを答えて！」
何で二番君が？
そもそも二番君のこの活動のこと知っててやったの？
ぐるぐる回るネガティブな思考回路。
二番煎じ「落ち着け。犯人もう捕まえたし。あおいが」
あおい「だって、鉄パイプ落とした後、武器も無しにうろついてんだもん」
あおい君の凄さにポカーンとした後、何もせずに取り乱してた自分が情けなく思えて、涙が溢れる。
白服「へ、Aちゃんっ。大丈夫だよっ」
泣き出した私を見て狼狽えた白服さんに、涙が伝い続ける顔を向けて笑う。
A「すみません……」
二番煎じ「帰るぞ。立たせて」
松葉杖に手を伸ばした二番君が、私の足首を掴んで軽く引いた。
涙を乱暴に拭って、立ち上がるのを手伝うと、
二番煎じ「今日、Aの家で面倒見て」
と、意地の悪い顔を浮かべて囁いてきた。
続く
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作者名：damia | 作成日時：2019年10月14日 11時
