愛吐 34 ページ43
道路は先日のQの異能のお陰で復旧作業ができていない。その為中原とAは異能で破天荒な運転をする中原のバイクで移動する。
『…中也さん。Qの奪還作戦において太宰さんの力は必要不可欠です』
「あ?敵の異能なんざ、発動する間もなく息の根を止めてやるよ。第一、ポートマフィアと探偵社は」
『…それがですね、現在首領直々の通達でせめて今夜だけは双黒の再共闘することを命じられております』
「ッたく、最悪だ。本当に最悪だ…」
中原は眉間にシワを寄せて過去の怨念を口にする。
Aはパンドラの箱を開けてしまったのかと全てを聞かなかったことにする。
そしてAはこの日改めて双黒の悍ましさと強さを再認識する事となる。
_______
「全く…ここ数年で最低の一日だよ」
「何で俺がこんな奴と…」
『…あの、』
「俺の隣を歩くんじゃねえ」
「中也が私の隣に来たんじゃあないか」
『……』
小学生も呆れる程低レベルな喧嘩を目の前で繰り広げる現上司と元上司とは。
私は久々のどうしようもない二人の光景に死んだ目でついていく。
私の目的は彼らの喧嘩を聞きに来たわけでもましてや仲裁をするためでもない。他でもなくQの奪還をしに来ただけだ。
「太宰、"ペトリュス"って知ってるか?」
「目玉が飛び出るほど高価い葡萄酒」
「手前が組織から消えた夜俺はあれの八九年ものを開けて祝った。そのくらい手前にはうんざりしてたんだ」
太宰さんが抜けた日…防衛本能が耳からシャットアウトした。
そんな私の苦悩も知らずに太宰さんは、そう云えば私もあの日記念に中也の車に爆弾を仕掛けたなあ等とまさに"爆弾"発言を投下した。
『中也さんのあの車…太宰さんだったんですね』
「辞めろA、まともにこいつに構うな」
『は、はい…』
苦笑いを浮かべる。正直こうする他なかった。
梯子を降りると中也さんがさりげなく足元暗いから気を付けろよ、と手を差し出してくれたのでその手を取ろうとしたら太宰さんが間に入った。
「すとぉっぷ!」
「…は?」
「ちょ、一寸待ち給え!君たち何時から名前で呼び合うほど親しくなったんだい!」
私は目を伏せた。名前呼びにする様になったのは中也さんが私を救済してくれた事がきっかけだからだ。
「あ?」
しかし中也さんは吠える様にして太宰さんを睨みつけた。
「何時からも何も手前がAを捨てたあの日からだよ」
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桜雪(プロフ) - りかまるさん» コメントありがとうございます。応援してくださる方がいて本当に感謝してもしきれません。拙い物語ですがこれからもよろしくお願いします、! (2019年4月13日 12時) (レス) id: c10e018f98 (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - のら猫さん» 10分、、それはすごい、、!コメントありがとうございます!自分のペースで頑張ります! (2019年4月13日 12時) (レス) id: c10e018f98 (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - びあんさん» コメントありがとうございます。やっぱり小説を書くのってとても労力のいることだと思います。びあん様も同じ作者の身として無理のない程度に頑張りましょう! (2019年4月13日 11時) (レス) id: c10e018f98 (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - sonataさん» ありがとうございます。sonata様の作品とても素敵でした、、!大好きだなんて言葉を頂けてとても嬉しいです。お互い頑張りましょう! (2019年4月13日 11時) (レス) id: c10e018f98 (このIDを非表示/違反報告)
りかまる(プロフ) - ゆっくりでも大丈夫です。無理なく、執筆して頂けたらと思います。応援しています! (2019年3月24日 22時) (レス) id: dbac4f4de5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜雪 | 作成日時:2018年12月29日 21時