いただきものはウサギさん

28.奪われた経緯 ページ28

『ユンギのやつ……』



自室へと駆け込んだ私は先程までの出来事を思い出す。




YG「送る」


『一人で歩いて帰る。なんかあっついし』



YG「……それは俺のせい？」



『うっさい！』



ユンギに告白されたことが私の中では余程恥ずかしかったのか顔の熱が引かない。




YG「送るってば」



『サヨナラ』




YG「………会社で大声で告ってやる。」


『いやー送ってくれるだなんて嬉しいな〜』


全くなんて卑怯な！

会社で大声で告白とか………立派な公開処刑だ。



YG「ん。素直に俺の優しさに頼ればいいってのに。」


『今のあんただからダメなの！』



YG「お前に恋してる俺だから？」



『う……そう………だけど。さっきからそんな恥ずかしいこと直球で言ってこないで！！』




「可愛い」じゃねぇよ。

私の言ってること何も理解していないぞコヤツ。


YG「ってかそんなに文句いうなよ。好きなやつに好きって、可愛いって言って何が悪いんだっつーの。俺は素直なだけ。」



『恥ずかしいんだってば！！』




YG「いつか慣れるよ。…………それか俺を早く好きになればいい。」




『…………………』



YG「ほら、置いてくぞ。」




結局ユンギに手を引かれて家まで来た。




『じゃ、じゃあね。………その、おいしかった。』


YG「今ごろ？じゃあお代はこれで許してやるよ。」



「目ぇ瞑って」この言葉の真意がつかめてなかった私は言った通りにした。



次の瞬間、唇にふわっとして感覚がした。


はじめての感覚だった。



『な、な、な、何して………』



YG「ごちそーさん」


それだけ言い残して彼は行ってしまった。









私は彼とキスしてしまったのだ。





『バカバカバカバカー！！』


今ごろこうやってジタバタしてても過去は塗り替えられないが、ファーストは好きな人としたかった。


好きな人…………



ぐぅは好きな人いるのかな？

何故かそれだけが頭に思い浮かんだ。

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