心 × inar

ハプニング ページ8

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大急ぎでシャワーを浴びる。



伊｢…っ、何で気づかなかったんだよ、こんな初歩的な事…ｯ！！｣




そうだ、学校から帰ってきて、…大ちゃんが たかぎと電話したいって。

それが終わって、たかぎが こんな事言ってたよって一生懸命伝えてくれたことが嬉しくて…






伊｢そうだ、…っそうだよ、あの時､､｣





お腹がすいたからオムライス食べたいって言った大ちゃんのために、スーパーよりも近いコンビニに行って卵を買いに行ったそこで…


抱きつかれるように、もたれかかって来たんだ…！







タバコと香水、それから酒の匂いをしっかり落として、急いで脱衣場に出る…


…と、





伊｢うわっ、と…大ちゃん、｣

有｢っ…いのちゃんっ、！いのちゃっ、！！｣







シャワー中も、ずっと聞こえてた大ちゃんの泣き声…。

タオルを巻いただけのオレへと飛びついてきた。






有｢…っく、いのちゃ…ひっく、…こわかった、ｯｯ…､｣

伊｢ごめんね、…っ、もう大丈夫だよ｣






少しだけ収まってた涙は、安心したのか、また…ぶわっと出てきてしまった大ちゃん。






有｢…んんうっ、ひ、…っくぅ、…いの、ちゃんっ、…、いのちゃ､｣






さっきとは違う匂いだからか、スン、と嗅ぐ大ちゃんは犬みたい。




少し落ち着いたところで、大ちゃんにお願いをしてみる。







伊｢大ちゃん、お洋服着てもいいかな？｣

有｢んんーんっ、…やだ、…いっしょ、｣

伊｢オレ、風邪ひいちゃうなぁ、｣

有｢やだっ、｣






よっぽど怖かったんだね、
オレから１ミリも離れようとしなくなっちゃった。


ずっとやだやだ言ってる。





伊｢…、手、繋いでていいからさ、お洋服着てもいい？｣

有｢てぇ、？｣

伊｢そう、手。ずっと握ってていいから｣

有｢…｣






すると、納得してくれたのか両手でオレの左手をギュゥギュウ。


片手でやりづらいけど、大ちゃんのパニックは、オレの失態。
…いくらでも、大ちゃんの望むことをしてやる。






伊｢はい、終わったよ！
大ちゃん……オレが誰だか、…分かるかな、？｣






この質問をして、拒絶反応を示した大ちゃん。
もう一回、確認させてね、







有｢いのちゃんっ！！くふふ、いのちゃーんっ！｣

伊｢…っ、ありがとう、……ちゃんと、オレ、だよっ…｣

有｢いのちゃんっ、ぎゅーっ！！｣







泣きながら笑うこの子…。

オレがちゃんと、守るからね。



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