心 × inar

こわい ページ29

.



考えたこと無かったな…

オレがいなくなったとしても、例え殺されたとしても、だいちゃんが無事ならそれでいい。




だいちゃんの事は、オレが守る

たかぎも、援護してくれる

だいちゃんが危険にさらされる事を防ぐ






だいちゃんをどう守っていくか、しか考えたこと無かった…。








有｢いのちゃ、…ひっく、｣

伊｢…っ……、｣







腕が離れちゃわないように、首にしがみついて、 肩はだいちゃんの涙で濡れてる。





もし、この存在が消えたら…








………きっとオレは、









有｢…、いの、ちゃっ、｣

伊｢だいちゃん、…｣

有｢んんっ、…な、にぃ…っ、？｣









………狂う。




後を追う？


発狂する？




いつまでも、居ないだいちゃんを探し続けるんだ、きっと。









伊｢…、ごめんね、怖い思いさせて…っ、｣

有｢ん、…っ…、いのちゃんが、おきなかったとき、…あのね、ｯｯ……いっぱい、ないちゃったの、よわ虫だからっ、…｣









…だいちゃんは、決して弱虫なんかじゃない。


自分と、他人と…

向き合おうと沢山努力してる。




苦手なものを克服しようと、日々頑張ってる。


苦しくなるだろうに、最近ではオレの仲のいい友達数名とも距離を縮めようとしてるくらい。






有｢…だからっ、こんどは、おれが いのちゃ、まもるのっ…っ、！！｣

伊｢！……ｯｯ､…だぃ、っ…、｣

有｢いのちゃんは、おれの だいじ、だから、…｣









" 家族未満、家族以上 "



血縁関係はない。
だけど、家族同然であって、家族以上に一緒にいて家族以上の存在。







だいちゃんの中のオレがどうなのかは知らないけど…







伊｢…だいちゃんっ、ありがと、…っ、｣

有｢いっぱい、すきだもん、ッ…いのちゃ、｣

伊｢うん、…一緒にいようね、十年先も、二十年先も…、｣

有｢じぃちゃんなっても、いっしょがいい！｣

伊｢そだね、…っ、｣









うん、可能な限り、…一緒にいたいね。



色んなこと考えてたら…無性に泣きたくなって








有｢うぅっ、いのちゃぁっ…ぐす、｣

伊｢っ、…ｯ｣









だいちゃんが居なくなることが、怖い。

…こわい、なんてそんな言葉じゃ収まらないよ、
漠然とした、得体の知れないほどの恐怖。





伊｢だいちゃんも、居なくなったりしないでね、｣

有｢！？そんなのしないもんっ！！…っ｣








そのあと結局、また二人して大泣きした




.

ごっこ→←こわい

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す