心 × inar

出会い ページ2

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知り合ったのは、もう少し前。
小学校高学年のとき。



大ちゃんは五年生の秋、転校してきたんだよね。

クラスが一緒になったけど、｢ありおか だいき｣ってそれだけ言って泣きそうな顔になってたな…。

先生から少しだけ事情を説明してもらって、話すこともあまり出来ないってことに納得した。
…その時のオレなりに。






伊｢…ありおかくん、か｣




珍しい苗字だなぁ、とか最初はそれくらいに思ってた。


それとその時のクラスは理解力もあったのか、大ちゃんに対して嫌なことを言うやつはいなくて。

むしろ協力的だった気がする。





そんな可もなく不可もなく、なオレの立ち位置が一気に変わったのは割とすぐ。







__ごめ、さ…すみませんっ、……やめて、くださいっ__

伊｢？｣





小学校の道挟んで目の前にある中学校。…の隣の倉庫。

家に帰るにはその横を通らないといけないから、いつも通り帰ろうとしてたところに、聞こえてきた声…。

…声、聞いた事ある気がする。




伊｢……、｣




中学生なんて大きいし怖いから、そろりそろりと気づかれないようにその倉庫を覗き見た…。





｢お前あれだろ？笑…やられてたんだろ？笑｣

｢わっは、あれキミん家だったの、笑｣

｢…なら…やりなれてんだろ、早くしよーぜ｣





当時のオレは何が行われようとしてるのかは分からなかったけど…今考えると……、悍ましすぎて…。





有｢…ごめんなさっ、……ゆる、して､｣



やっぱり声の主は ありおかくんで。


その人達は、ありおかくんの服を脱がせ始めてて…
でもオレも怖くて怖くて足が前に進まなくてさ。




伊｢…っ、っ｣



動け、オレの足、動けよっ！！




有｢やだっ、…っ、ゆ、して…っごめんなさいっ｣

伊｢ｯｯ…｣




オレの身を守りたいがために、ありおかくんが傷つくなんて…嫌だ。

泣き叫ぶ ありおかくんなんて見てられない…って自分の事を捨てた瞬間に足は軽くなって





…ガラッ！！





伊｢…けっ、警察ですか、○✕中学校の隣の倉庫、早く来てっ！！！｣




咄嗟に防犯用に持ってたすぐ110番出来る携帯で電話した。





｢…！？やっべ、逃げろ！！｣

｢おまっ！？…っざけんなよ！！！｣

伊｢…ったぁ、ありおかくんっ！！｣




一発食らわされたけど、そんなのどうでもいい。
早く、助けてあげないとダメって、そう思ったから…。





有｢､ ... ごめ､..なさい... ｣





そう言って意識を飛ばしたんだ。

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