男子系女子の日常。6

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渡辺side





佐久間「だいね、Aに聞いてほしいことがあるの」


一人称が『だい』になる時はもう、Aしか見えてない証拠。



ここで佐久間は、男としての一大決心をするんだろう。





突然だけど、俺はAが好き。


ただ、俺はAを大切にできる自信が無い。


俺は、みんなが思ってるより何倍もヘタレで、彼女を傷つけてばっかで、俺のせいで死にそうになったこともある。


そんな俺が、幸せにしていいはずがない。



それに、あいつは俺を初恋相手だと言ってくれて、今でも俺に対しての態度は他とは違うけど、実際のところは佐久間が好きなんだと思う。

佐久間を見る目が優しい女の目なんだわ。笑





佐久間「だいね、デビューさせてもらって、ミリオンいって、声優のお仕事もして動物の番組にも出て、たくさん夢が叶ってる。」



各々が身の回りの事をしつつ、2人を見守る状況がなんとも面白い。



佐久間「でも、、いや、だから、かな。

男としての夢も叶えたい。


俺、Aのこと好きなの。すっげぇ好き、大好き。」



佐久間の胸元でハグされ、佐久間を見上げるようにしていたAの顔が、どんどん紅くなる。




A「あ、え、いや、その、」



佐久間「にゃははっ、顔真っ赤、笑笑


Aの事、ずっと大切にする、絶対護る。

だから、これからずっと俺の隣にいてくれない？」



照と目黒の方からポーンとビデオを撮る音がした。


何してんだこいつら笑笑



A「えっと…………私はアイドルだし、そういう事が起きないのが私のアイドル像で使命だと思ってるの。

だから、、、そういうのわかんない……」



佐久間「ひゃはっ、だよなぁ、わかんねえよなあ、、ずうっとそういうの我慢してきたもんなあ」




佐久間にわしゃわしゃと頭を撫でられるAは、なんだか嬉しそうで、あいつの中でひとつの答えが出ていることは察した。


ただ、こいつは正直に佐久間に言えるのだろうか。


自分の気持ちを、今の佐久間への気持ちを。



渡辺「A、お前の今の、地位と名声を全部捨てて、一人の女として、自分と今思うこと、佐久間に全部伝えろ。」


俺が今のAにできる唯一のお節介。

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