希望の少女は希望を叶えますⅤ (ページ32)

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Aside

〈旧館〉

モノミ｢Aちゃん･･･泣きたい時は我慢しないでくだちゃいね。これは先生からのアドバイスでちゅよ｣

モノミ先生は私の足に抱きつきながら言った

『はい･･･』

モノミ｢泣くほど辛かったんでちゅね。狛枝くんに会えなくて･･･｣

『･･････』

私は頷いた

モノミ｢わかりまちた！･･･Aちゃんだけ特別でちゅ｣

『ありがとう･･･ございます』

私は大広間に向かった

〈大広間〉

ガチャ

『凪斗！』

狛枝｢A･･･｣

凪斗は手足を縛られている

狛枝｢嬉しいよ･･･ボクなんかの為に会いに･･･A？｣

『･･････』

私は考えるよりも先に体が動いていた

凪斗に近付き･･･体を起こした

そして私は

凪斗に抱きついた

『会い･･･たかった』

もちろん凪斗は抱きしめかえしてはくれない･･･

頭も撫でてもくれないけど･･･

温もりは感じる事が出来た

狛枝｢A･･･ボクも会いたかったよ。｣

ギュッ

凪斗は抱きしめ返してくれた

『･･･！なんで･･･手は拘束されてるのに･･･』

狛枝｢運だけが取り柄だからね。｣

と言いながら凪斗は針金を私に見せた

『･･･ふふっ』

狛枝｢そんな事はおいといて･･･ボクにたった1日も会えないでこんなに泣くとは･･･可愛いねA｣

『しょ、しょうがないじゃん･･･だって毎日一緒にいたんだから･･･1日も離れてるだけで寂しいんだよ？』

昔、凪斗は交通事故で両親を亡くした

だから私が｢一緒に暮らそう｣と言い

そこから毎日凪斗と一緒に過ごした

寝る時、ご飯食べる時、お風呂入る時や通学する時も一緒だった

狛枝｢ごめん、ごめん。ボクだって一緒だよ･･･愛する人に”1日”も会えないなんてさ･･･｣

凪斗はそう言いながら私を膝の上に乗せた

そして後ろから私を抱きしめた

私より凪斗の方が寂しかったようにみえる･･･

狛枝｢A･･･愛してる｣

『･･･私も』

寂しさを埋めるように私達はずっと一緒にいた