妹じゃなくて (ページ37)

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『ユーキ

お前と彼女さんに失礼なことした
すまない

マネージャーとして超特急のユーキを支えるのが俺の仕事だから、今回のことに関して言いたいことは山ほどある

けどひとつだけ
今はユーキを休んで
村田祐基としてやりたいこと
やるべき事をしてくれ

じゃあな、お大事に』

布団を剥いで起き上がり、1番初めに目に入った置き手紙にはそう書いてあった

誰がそんな口聞いてんだよって怒りと

許してくれて、認めてくれてありがとうって感謝が混ざって

衝動的に電話をかけていた

1、2、3、4、、、、8、9、、

呼び出し音を心の中で数える

16回目で途絶えた

「、、もしもし」

「、、、はい」

「愛してる」

食い気味にそう言う声は

低くて、柔らかくて、真っ直ぐで

今の私とは真逆の、嘘ひとつない声だった

こんな状況でもやっぱり優しい

誰よりも強いよ

そんな祐基と自分をどうしても比べちゃって苦しい

ほらまた心配かけるから泣きたくないのに流れちゃう

嫌だ嫌だ、だって泣いてたらほら

「あやは弱くないよ大丈夫

いつも俺の事大切にしてくれてありがとう

でも気つかって泣くの我慢しなくていいんだよ

泣きたいときは俺の胸があるんだから、泣きたいだけ泣けばいい

悲しい涙も、寂しい涙も、悔しい涙も、嬉しい涙も全部、独り占めするの禁止だから

ちゃんと見せて教えて

伝えてくれた後は可愛い笑顔になって」

「誰が何と言おうと

あやが何を思おうと

あやは俺の自慢の彼女だから」

涙まじりで素直すぎる祐基の甘い言葉

弱い今は聞きたくないよ

息ができない程涙が止まらなくて

それなのに拭ってくれる祐基はここにいない

「、、、、、祐、、基、」

「ん？」

「会ってもいいかな、、、」