妹じゃなくて

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病室を飛び出して走り続けた


廊下を走り抜けエスカレーターを駆け下りる


何人もかき分けて、何回もつまづいてひたすら走った







あやに1番感じて欲しくなかったこと


俺は芸能人であやはいわゆる一般人だということ


そんなこと感じないなんて有り得ない話なんだけど


マイナスな実感だけはさせたくなかった


俺と一緒にいるときは無理しなくていいって言った


だから一緒にいるときの俺は芸能人のユーキじゃなくて村田祐基という1人の男だ







それなのに


ストレートな言葉で刺されたあやが1人で大丈夫なはずない


俺たちのことを思って「義妹です」とマネージャーに嘘をついてくれたらしいけど





、、、そんな嘘つくなよ


どうせ自分自身にも嘘ついて言いたくもないこと吐き出したんだろ


こんな嘘ついたら俺に嫌われるかなとか
無駄な事で悩んで泣いてるんだろ


分かるんだよそのくらい
バレバレなんだって





なめんなよ





そんなどうしようもない嘘をつく
どうしようもないくらい愛おしいあやを
今すぐ抱きしめさせてくれ









でもやっぱり病み上がりの身体が動いてくれる訳なくて


遠のく意識を無理矢理繫ぎ止めるのに必死で


さっきまで点滴が繋がれていた傷口に鼓動を感じ


気付いた時にはまたベッドの上にいた

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