妹じゃなくて

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すれ違う人たちから視線を刺されても


かまわないで歩き続けた






これが祐基が言ってた


芸能人と付き合う


ってことか







覚悟はしてたし
祐基と一緒なら耐えられるって信じてたけど


付き合うってなって早々に1人になって


芸能人と一般人の壁、というよりも溝を感じさせられて


悲しさも悔しさもぐちゃぐちゃになって渦巻いて


もう何も考えたくない


虚無感の穴に落ちて


出てこようなんて思わないし気力も無い







疲れるから泣きたくないのに


私の意思を無視して流れる涙なんか拭う価値もない









気付いたらもう家はすぐそこにあった







悲しいとか悔しいとか言って


やるせなくて泣いてる





でもそれは強がりしかできない私が


私につく嘘









本当はどうしようもなく寂しいんだよ


寂しいって気持ちだけで泣きたいけど


そんなこと潰れちゃいそうでできない









扉を開けて


もう祐基の香りが消えた暗い部屋に入った瞬間


無理矢理しまい込んでいた思いが溢れた




壊れたように泣いて


祐基の姿が欲しくてたまらなくて


すがるように毛布を抱いて


力尽きて眠りについた









着信音に気付くことなく

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