お姫様は退屈なようです

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Asaid


そこは屋敷からは遠く離れた物置小屋
南京錠だけは新しいけどその他は古びた扉
所々にネズミが入れそうな小さな穴が空いている

季節問わずこんなとこらにいたら体調を崩しそう



ガチャ


メイド「お、お嬢様！」


柱に手を縛られ、そうとうしぼられた後なのか髪や服はボロボロなメイドがいた


メイド「お嬢様、申し訳ございません……私が不甲斐ないばかりに………でも、次こそは！！次は失敗しないので、、お願いします……。もう一度チャンスを……」


このメイドは屋敷のメイドの中でも2番目に権利を持つ女性
妻子をもつ1人メイドでもある


『勝利。車椅子を前に』


勝利「はい」


彼女の前まで来て止めてくれた


『残念だけど、貴方にチャンスはないわ』


メイド「ど、どうしてですか？」


『どうして？あぁ、バカには理解できないか』


メイド「えっ？」


手を伸ばしてメイドの胸元を掴んでグッと引き寄せた


『潜入捜査が出来なかったどころか向こうの執事と一夜を共にするなんて……貴方、私たちを侮辱するつもり？』


メイド「うっ、そ、そんな、つもりは、っ」


『それだけではないわ。貴方、妻子を持っているのよね？子供の母親なのよね？家族を裏切るなんて……酷い女ね。』


胸元を掴んでいた手を離す


メイド「ｯｹﾎ、ﾊｧﾊｧ…」


『家族を連れて屋敷から出ていきなさい』


メイド「ま、待ってください！子供が、子供が中学受験なんです！！今クビになったら、『知らないわよ』っ、」


『自分のバラまいた種よ。私たちにはどうしようも出来ない。それに、私があなたの元に来てよかったと思う事ね。お父様だったら貴方たち家族が二度と社会復帰できないぐらいなことはしていたと思うわよ』


メイド「っ……調子に乗るな……」


『はぁ？』


メイド「ただの財閥のお嬢様が調子に乗るなって言ってんのよ！！」


どこに隠し持ってたのか、ナイフで縄を切って私にナイフを突き刺して来ようとしている


あぁ、ここまでの演技力があるのに何故それを向こうで発揮しなかったのか



パシっ、ガシッ、ﾄﾞﾝｯ！



メイド「うっっ！」


ナイフは私に届くことはなく、聡の手によって弾き飛ばされた
女が驚いている間に勝利が腕を掴みガラス棚に投げ飛ばされた

血だらけになり力なく下を向いている


『あーあ、そんなことしなかったら怪我もしなかったのに。これで貴方に向けた私の心ばかりの慈悲も無くなった。ほんとに、残念でしかないわ』

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