＿ ページ39
「A、」
私はグクに、なにをしてあげられるんだろう
「おい、A」
『…え？』
「何回呼ばせんだよ。なにぼーっとして」
『ごめん、眠たくてぼんやりしてた』
「寝てれば？俺起きてるし」
『ううん。グク泣くだろうし、起きとくよ』
いつものドラマの続きを見ようとテレビのほうを向くと
隣から伸びてきた手がぽん、と頭の上にのる
『びっくりした、なに』
「大丈夫か？」
『、うん』
「全然大丈夫って顔してねぇけど」
『…実は大丈夫じゃない』
「だろうな」
その手がぐしゃぐしゃと頭を撫でてユンギが隣に座る
「何をそんなに考えてんの」
『……』
はぁとため息が聞こえて顔をあげると
ほっぺたをむに、とつままれた
「またお前はそうやって頼るの嫌がる」
『いひゃい』
「俺がいるだろ」
目が合ってずっと強張っていた力が抜ける
「なんでもお前ひとりでやろうとすんな」
『ゆんぎ、』
「言ってみろ。俺も一緒に考えるから」
あぁ、ほんとに私は
ユンギに助けられてばっかりだ
『…グクが、』
「うん」
『グクが悲しいと、私も悲しい』
「うん」
『泣かないでって言えないの』
泣いているグクに
どうしてもその一言が言えないでいた。
『グクの悲しくて寂しい気持ちを埋めてあげられることを
私が出来てる自信がなくなってきた』
これだけ一緒にいるのに、
グクの寂しさや不安に気付けない。
おばさんに会わせてあげることも出来ない。
ただ抱きしめることしか出来ない自分が悲しかった
「どうしたらいいかは俺もわかんねぇけど、」
なにか考えながら呟かれる言葉に耳を傾ける
「グクが寂しいなら一緒にいて、
悲しいなら抱きしめてやればいいと思う」
『一緒にいて、抱きしめる、』
「それは俺達にしか出来ないことだろ」
そうだ、それは私達にしかできない。
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k.n(プロフ) - 久しぶりに読ませていただき、本当に一つ一つの言葉選びからストーリー。内容覚えているのに泣きました🥲色々な方が作品を削除されますが、ぜひこの作品は残していただけたら嬉しいです。 (2023年2月18日 22時) (
レス) id: 1a3cfb96cd (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - また読みにきてしましました…何回読んでもきゅんきゅんしてほっこりしてもうほんとに幸せです……こんな素敵なお話を書いてくださりありがとうございます…🥹 (2022年10月27日 9時) (レス) @page48 id: efd49a0979 (このIDを非表示/違反報告)
M.M(プロフ) - もう何度も読ませていただいてますが、久しぶりに見て号泣してしまいました(笑)映画化して欲しいくらい素敵なお話です！ (2022年2月19日 1時) (レス) id: ddaf8faeea (このIDを非表示/違反報告)
ell1910(プロフ) - もう、泣き過ぎて明日仕事行けません(T_T)！どーやったらこんな素敵な話が書けるんですか！ヤバいです！ (2022年2月9日 0時) (レス) @page33 id: 7b303fc88a (このIDを非表示/違反報告)
AIRI(プロフ) - 普通に何回も涙が伝いました… (2022年1月10日 7時) (レス) @page48 id: cf5a6128eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：じあ
| 作成日時：2018年5月31日 19時
