親子はじめました【番外編2】

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「なにか酷くなるきっかけというか、
原因みたいなものがどこかにあるんだと思います」


私の話を頷きながら聞いてくれたジン先生が
何かを考えるようにゆっくりそう言った


「最近なにかグクくんが不安を感じたり、
怖がったりすることはなかったですか？」

『最近…ですか。
グクの本当の母親のことぐらいしか心当たりがなくて』

「もしかしたら、
それ以外のことも何かあるのかもしれません」

『それ以外のこと、』


考えてもいなかった。
それ以外に何か原因があるなんて。


「それを取り除くのが一番いいとは思うんですが、
中々難しいですよね。
子供って上手く表現出来ないことばかりですし。
焦らず、ゆっくり話を聞いてあげてください」


でも、冷静に考えてみればそうだ。
酷くなったということは私達と過ごす日常の中に
グクが不安に思うことがあったということ







『最近変わったことってなんかある？』

「変わったこと…思い当たることは特に」

『だよね』


ジン先生に言われたことをユンギに話して
ここ最近のことを思い返してみる。


『特別なことはなにもしてないと思うんだけど』

「昼はケロッとしてるしな」

『元気いっぱいだしね』


あんなに夜中泣いていても
朝起きれば何もなかったように元気だ。
テレビの前で絵を描いている姿を眺めていると
私達の視線に気付いたのかぱたぱたと走り寄ってくる


「ままー」

『んー、なに？』

「みて？」

『わぁ上手。ねこちゃん描いたの？』

「らむちゃん！」

『今日ラムちゃん見に行ったもんね』

「ぐくねぇ、きょおらむちゃんのしっぽさわったから
ぱぱにおしえてあげようかなぁ」

『うん、教えてあげな』


きゃははと嬉しそうに声をあげて
ユンギに飛びつくと膝によじ登るグク


「ぱぁぱー」

「なに？」

「ぐくきょおね、らむちゃんのしっぽさわった！
ふわふわだからぐくのおててがね、」


よく話すし、よく笑う。
今日あったことも聞くようにしてるし
大好きなラムちゃんも最近は毎日見に行く


「じゃあ次の休みはお前の好きな猫見に行くか」


一生懸命話す言葉に
優しく頷いてたユンギがそう言って驚いた。

ユンギ、全然眠れてなくて疲れてるはずなのに。


「ほんとっ？！」

「ほんと」

「うれしいっ！ままっ」

『嬉しいね、3人でいこう』


グクに笑っていてほしい。

そう思えば思うほど、私は焦りを感じた。

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