親子はじめました【番外編2】

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『っ？！』


ガタン、と背後から聞こえた音で
ふわふわしていた心地から一瞬で引き戻される


『っびっくりしたやばいやばい』


今意識飛んでたわ
完全に一瞬で深い眠りの中にいたわやばい

目の前には作成途中の資料
隣には私の声に飛び上がったホソク。


「ヌナ、俺もその声にびっくりしたから
突然大声出すの本当にやめてほしい」

『ごめんごめん』

「寝不足なの？最近顔ヤバいよ、クマ酷い」

『ちょっと色々あって』


差し出してくれたチョコレートを口の中に放り込んで小さくため息を吐く


「そういえばユンギヒョンも寝不足みたいだった。」

『へ、へぇー…』


そりゃそうだろう。
いつも朝までグクを抱っこしてくれてるのはユンギだから。
それに慣れたのかグクは私の抱っこじゃあまり寝てくれない


「今日の昼休みもウトウトしてて
定食に顔突っ込みそうになってた。ヤバいでしょ」

『あはは…やばい…』


乾いた笑いを引っ込める
全然笑えない。
私もキーボードに顔突っ込まないように気をつけなければ。









『今日は課金して18話を見たいと思います』

「ついに課金か」

『途中で寝たらどうしようという不安はかなりある』

「悪い、俺もだわ」


はぁ、とどちらともなく小さく息を吐いて
ふたりでソファーに項垂れる


『グク、今日も泣くかな』

「泣くだろうな。ここんとこ毎日あの調子だし」

『最近酷くなったよね。
少し前まではあんな感じじゃなかったのに』


ここのところ、毎日続いているグクの夜泣き。
確かに夜中に泣くことはあったけど
長い時間泣き続けることはなかったし、
ユンギも私も揃ってないと泣き止まないなんてこともなかった。


「なんか対策考えないとな。
いつまでもあれ続いたんじゃ体力持たねぇよ」

『そうだよね』


そもそも、グクが泣くのには原因があった。

おかあさん。

必ずそう言って泣き出すんだ。

それを分かっている私達はどれだけグクが泣いても
「大丈夫だよ」と抱きしめることしか出来ない。

泣いているグクを抱きしめて
じわりと湧き上がる痛みを感じながら
今日も私達は夜を明かすんだろう

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