親子はじめました【番外編2】

＿ ページ31

新しい誰かと家族になる姉ちゃんが
とても遠い人のように感じて怖くなった。
ずっと一緒にいたはずなのに、
もう二度と追いつかない気がして
もう振り向いてくれないような気がして。


「アホかお前は」


呆れたような声に俯いていた顔を上げる


「誰もお前から姉ちゃん奪おうなんて思ってねぇよ」


そう言って笑うヒョンと目が合って
今度は目が逸らせなかった


「ただ、お前の姉ちゃんの地球でいちばんくらいは
俺に譲ってほしいってだけ」

『ちきゅうでいちばん、』

「いいじゃん、お前は宇宙一なんだから。
地球一くらい譲れよ」

『…どうしようかな』


簡単には譲れないんだよ、地球でいちばんは。
だけど一度グクにも譲ったし、考えてあげようかな


「幸せにする」

『え？』

「お前が宇宙でいちばん大好きな姉ちゃんが
ずっと笑ってられるように、俺の人生かけて幸せにするから」

『、ヒョン』

「でもあいつを幸せにするのは俺ひとりじゃ出来ないんだよ」


姉ちゃんの、幸せ


「両親だったり、ジミンだったり、ホソクだったり」


遠くで遊ぶ子供達の姿を眺めた顔が
一瞬優しくなるのがわかった。


「それから、ジョングク」


そしてその視線の先に、
小さなグクの姿を重ねたことも。


「そしてお前も。あいつの幸せに必要なんだ。
だから。お前には笑ってほしい」


姉ちゃん。
俺、宇宙でいちばんだって胸張ってたけど
俺よりそのいちばんに居るべき人がいたみたいだ。


『ユンギヒョン』

「うん？」

『俺、ずっと前から分かってた。
いつか姉ちゃんはヒョンと一緒にいることを選ぶって』


どうしてヒョンと家族になりたいと思ったのか、
俺わかるよ。

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