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『結婚しようと思ってる』

「まぁ!ちょっとお父さん!!Aが結婚だってっ!!」


電話口で叫ぶお母さんの声に耳がキンとなる


「待ちに待ったわぁ!やっとお母さん達もこれで一安心」

『そりゃ良かった』

「あんたみたいなのを貰ってくれる人に御礼言わなきゃ。
いくら包んだらいい?」

『可愛い娘をなんだと思ってんの』


こっちの反応は予想通りで少し安心する


「ちゃんとした人なんやろうね?」

『うん、同じ会社の人だよ。
来月休み取れたら一緒にそっち帰るから』

「お父さんに伝えとく。赤飯炊いて待ってるからね」

『恥ずかしいからやめて』


可笑しそうに笑う声に
胸のもやもやが少しだけ軽くなった


『お母さん』

「うん?」


今になって、やっとわかる
あなたの偉大さが、優しさが。


『ありがとう』

「やぁね、何よ急に」

『私、お母さんの娘で良かった』


今日まであなたの全てをかけて
愛情を注いでくれたおかげで
私はこうして誰かを愛することができる。
愛する人とこの先の長い道を歩いていこうと思える。


「嫁入り前になってやっと改心したの」

『ははっ、そうかも』

「いい人と結婚するのね」

『え?』

「そんなふうに思えるのは、
あんたが誰かを愛して、愛されてるからよ」

『、うん』

「子供って本当にいつのまにか大人になるのね。
ついこの間までテヒョンとふたりして
泥だらけで走り回ってたような気がするのに」


少し寂しそうに呟かれたその声が、
私の中に切なく残った。


「テヒョンには言ったの?」

『あぁ、言ったよ。反対されたけど』


はぁ?と、またデカい声が耳元で響く


「こんな二度とないチャンスを反対なんて、
なんてこと言うんだかあのぐーたら息子!」

『二度とないチャンスって。さっきから失礼な』


小さくため息をついたお母さんが呆れたように笑う


「馬鹿ね、あの子は。
お姉ちゃん離れ出来ずにここまで育っただけあるわ。
大人になったと思ったらちっとも成長してない」


ーねえちゃん!

いつもそうだった。
私の後ろをついてきては、そう言って笑う
それは昔も、今だってそうだ。


「昔から、あの子のいちばんは
お母さんでもお父さんでもなくて、あんたやね」


テヒョンの、いちばん

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k.n(プロフ) - 久しぶりに読ませていただき、本当に一つ一つの言葉選びからストーリー。内容覚えているのに泣きました🥲色々な方が作品を削除されますが、ぜひこの作品は残していただけたら嬉しいです。 (2023年2月18日 22時) (レス) id: 1a3cfb96cd (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - また読みにきてしましました…何回読んでもきゅんきゅんしてほっこりしてもうほんとに幸せです……こんな素敵なお話を書いてくださりありがとうございます…🥹 (2022年10月27日 9時) (レス) @page48 id: efd49a0979 (このIDを非表示/違反報告)
M.M(プロフ) - もう何度も読ませていただいてますが、久しぶりに見て号泣してしまいました(笑)映画化して欲しいくらい素敵なお話です! (2022年2月19日 1時) (レス) id: ddaf8faeea (このIDを非表示/違反報告)
ell1910(プロフ) - もう、泣き過ぎて明日仕事行けません(T_T)!どーやったらこんな素敵な話が書けるんですか!ヤバいです! (2022年2月9日 0時) (レス) @page33 id: 7b303fc88a (このIDを非表示/違反報告)
AIRI(プロフ) - 普通に何回も涙が伝いました… (2022年1月10日 7時) (レス) @page48 id: cf5a6128eb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:じあ | 作成日時:2018年5月31日 19時

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