社内恋愛事情 ページ31
バタバタと全員で部屋を走り回る朝の光景
「先行くぞ、じゃあなグク」
「いってらっしゃぁい」
『ユンギ、待って』
「なに?」
『これ。』
玄関先で振り返ったユンギに
巾着に包んだそれを押し付ける
「お前、これ…」
『弁当。次はもっと上手くなりたいから』
ふいと目を逸らすとフッと笑う声が聞こえる
「ちゃんと食えるもん入れたんだろうな」
『当たり前でしょ。弁当なんだから』
「え… なんで… ぐくのは?」
足にしがみつくグクを抱き上げたユンギが笑う
「お前は昨日食ったろ?
今日は俺の番。じゃあな、いってきます」
「いってらっしゃぁい」
『いってらっしゃい』
閉まった扉を見てふと思う。
いってきます、ただいまの声が
当たり前に聞こえるこの光景がなんだか不思議だ。
「ぐくもおべんとうがよかった」
『次のお弁当何がいい?練習しとかなきゃ』
「ぽけもんっ!」
『ぽ、ポケモン…』
私のポケモンマスターまでの道のりは長そうだ。
「ヒ、ヒョン…」
『あ?なんだよ』
「俺…ヒョンが今広げているそれが弁当に見えるんだけど…」
『弁当だろ』
「えウソ。ヒョン手作り食べないじゃん。
まさか自分で作ったの?」
『ホソガ、お前これ何に見える?』
「え、何……は?!なにその可愛い弁当!?」
『なんだと思うこれ』
「なにって……ブタ?」
『ブタか』
「え、ブタなの?」
『いや、多分……パンダ』
「パンダぁ?やだなんか俺もう色々怖い」
『なんでだよ』
「最近みんなおかしい…
なんかヌナも弁当がどうたらって………あれ?」
『なぁヤバい。俺こんな色の卵焼き初めてみた。
食えんのかこれ』
「……………」
『なに急に黙ってんだよ』
「…ヒョン最近俺のデスクガン見してくるけど、
俺のこと好きなの…?」
『なにをどうしたらそういう発想が生まれんの?』
「だよね…やっぱ俺じゃないじゃん…」
『さっきから何の話してんだお前』
「いや、分かった。大丈夫だよヒョン。
俺みんなには内緒にしとくから安心して」
『あ?』
『……弁当どうだった?』
「ホソクがブタだって。」
『はぁ?なんでブタに見えんのよ』
「だよな。今日のは…あれだろ…ぱ……」
『ぱ…?』
「…………ぱ、パンダ?」
『だよね!どう見てもパンダでしょあれは』
「お、おう」
ポケモンマスターへ一歩前進。
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a(プロフ) - ぐくがお母さんに向けての一つ一つの言動でもう涙止まりませんでした…… (2022年2月4日 21時) (レス) @page22 id: 625b9bc2d6 (このIDを非表示/違反報告)
?めぃろ?(プロフ) - いまからぐくがぱぱでぇすが可愛すぎて無理進めない話入ってこないかわいあ (2021年5月5日 10時) (レス) id: a284f3be6e (このIDを非表示/違反報告)
お星さま - 私の幼馴染みも解離性記憶障害で...泣けちゃいました...まだ読んでる途中ですけどとっても面白いです!!wwそしてポケモンマスターのくだりめっちゃ笑いましたw (2019年6月6日 0時) (レス) id: 4307a1b454 (このIDを非表示/違反報告)
じあ(プロフ) - はるなさん» 実在する人物(笑)出してしまいました。笑っていただけていたら嬉しいです!笑 (2019年4月30日 13時) (レス) id: 5b76b5a436 (このIDを非表示/違反報告)
じあ(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます(;_;)読み返したいと思える作品になり、本当に嬉しいです。皆さまの応援のおかげです、ありがとうございます! (2019年4月30日 13時) (レス) id: 5b76b5a436 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:じあ | 作成日時:2017年9月22日 21時