親子はじめました

ブサイクなうさぎ ページ28

「お帰りなさい。今日はお兄さんなんですね」

「…おかえり」


迎えに来た俺をみて
不貞腐れた様子のグクがギュと服の裾を掴む。


『すんません、
Aから事情は少し聞いて来たんですけど』


苦い顔した先生がグクの頭を撫でた


「ちょっとお友達とケンカして。
どっちが悪いとは言えませんけど、
グクくん叩いちゃったから。」

『何があったんですか』

「今日お弁当の日だったんですけど、
グク君お友達にお弁当のこと何か言われたみたいで
怒って叩いたんです。」

『弁当…』


Aが朝死にそうな顔して持たせた
なんとも言えないうさぎの弁当を思い出す。


「本当に喜んでたから。
言われて嫌な気持ちになったんだと思います。
話、聞いてあげてください。」


そういうことか。
今日はあいつが迎えじゃなくて良かったのかもしれない。



『ジョングク、』

「なぁに」


砂場で座り込んでいたグクの隣に座る


『友達にちゃんと謝ったか？』

「ぐく、わるくないよ」

『なんで悪くないの？』

「ソラくんがぐくのうさぎへんだっていうから、」

『うん』

「へんじゃないもん。かわいかった」

『だから叩いたのか？』

「…うん」

『叩いたのはお前が悪いな。
そのソラってやつ、叩かれて痛かったと思うよ。
お前も叩かれたら痛いだろ？』

「、うん」

『自分がされて嫌なことはするな。わかるな？』

「わかる…」

『どうする？謝らないで帰るか？』

「、ごめんっていってくる」


走って行く背中を見送って、俺も立ち上がった。

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