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写真を見れば見るほど
私ってなんて馬鹿なことをしてしまったんだろうと痛感する。
やりがいがあると思ってこの仕事に入ったのに
逆にここまで苦しくなるなんて思ってもなかった。
すぐ引けばいいものを好きになるまで関わったのは
自分のせいで、ただただ落胆するしかなかった。
少し風が吹いて、手元にあった写真の一枚が
今出てきた入り口の近くに落ちたと思えば
ちょうど中から出てきた人の足元に
拾ってくださいと言わんばかりにくっつく。
それを拾った人は辛くてもよく分かる鼻筋で
眉には皺がよって鬼みたいな顔。
「今の話、なに?」
タイミングが悪い、全部聞かれてたみたい。
しかも同じご飯屋さんにいたなんて全然気づかなかった。
あんなに連絡取ってたんだから
ジミンさんにどこに行くのか
ちゃんと確認しておけばよかった。
『…テヒョンさん、っこれは違くて』
「何が違うの?この写真もどういうつもり?」
『……』
「最初からそういうことだったってわけ?」
『違います、本当に違うんです!』
テヒョンさんの手に持ってる写真を取ろうとした時
また中から人が出てきた。
「わっ、Aちゃん
テヒョンア1人で喋ってるのかと思っちゃった、笑」
またタイミングが悪い時に、
今度はジミンさんが中から出てきた。
テヒョンさんは持ってた写真を自分のポケットにしまうと
何もなかったかのようにジミンさんに向けて笑顔を作る。
「偶然だね、まだ時間もそこまで遅くないし
これからジミナの家行くけどAちゃんもくる?」
「テヒョンア〜それはいきなりすぎると思うよ」
ジミンさんは笑っていたけど
テヒョンさんの顔が思いっきり真顔で、
目も笑ってなくて断るのが怖かった。
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作者名:なるま | 作成日時:2021年9月1日 17時