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「そんな顔してるのになに言ってるかわかんない?」
わざとだ。
ずっと私の反応を見て面白がって
意地悪な言い回しをしてくるんだ。
ばちっと目が合って、心臓がうるさくて
また恥ずかしくて目線を逸らそうとしたら
そのままジミンさんの顔が近づいてきて
瞬きしたときにはもう顔が目の前にあった。
「こういう事だよ、わかったでしょ?」
顔が離れて目にかかる前髪をかき上げる、
なんで?私なんかただの道でぶつかった女なのに。
私の仕事だって何してるか知らないのに。
「返事はすぐなんて言わないよ、
でもまたすぐ連絡するね」
『なんで私なんですか…?
まだ会って1ヶ月も経ってないのに、』
「好きになるのに理由も時間も関係ないよ
気づいたときには好きになってるもんでしょ」
そっか、私だってジミンさんの本当の人間性なんて
全部わかったわけじゃないんだもん、そうだよね
ってすぐ納得してしまった。
送るよって言ってくれたジミンさんを
無理矢理部屋に押し戻して自分の家に帰る。
すぐ連絡するねとは言ってたけど
家を出てすぐに、“気をつけてね”のメッセージが来た
家に着いてからも“夜はテヒョンとご飯行ってくるね”とか
連絡が途切れることがないまま先輩とご飯に行く時間になった。
「遅い!先輩を待たせるなんぞ5年は早いな」
『5年は割とすぐすぎません?』
「そんなもんだろ、俺大したことないしな」
自分で言っちゃうんだ、
そんなことないですよっていうのも
めんどくさいからスルーしよ。
当然今日食べるご飯は先輩セレクトのお店だから
先輩がメニューを決めていく。
ただぼーっとしてるだけの私に
先輩はため息をついて足を組み始めて
私も何かこれ食べたいとか言った方が
よかったやつかな?なんて考えて
メニューに目を通そうとしたら取り上げられた。
「なんで俺がわざわざお前のこと飯に誘ったかわかるか?」
そうだ、別に話がないならご飯なんて
張り込み中の車でいつも済ませてきたのに
今日は直々に呼び出されてご飯を食べるということは
つまりそういうことなんだ。
「これ、どういうつもりなんだよ」
乱暴にテーブルの上に投げつけられた写真には
私とジミンさんが並んで歩いてる所や
ジミンさんの家に一緒に入る所が何枚もある。
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作者名:なるま | 作成日時:2021年9月1日 17時