僕だけの黒猫 ページ30
jeno side
Aが表情管理を教えて欲しいと言ってきた。
正直、あんまり覚えてないんだけどなぁそんなこと
でも、Aの頼みなので迷わずにOKする
いざ練習室でAとご対面
なんと例の二人には別のスケジュールがあり、
今日この日を邪魔することは出来ないだろう。
｢あっジェノごめんね、いきなり呼び出して｣
今日はポニーテールか、安定に超可愛い。
じゃなくて
｢大丈夫だよ、まったく役に立たないかもだから笑｣
｢結構マジで密着なんだけど大丈夫？｣
悪いけど、内心めちゃくちゃ喜んでるよ。
JN ｢大丈夫、変なことしないから｣
｢だよね。ジェノはそういう人じゃないもん｣
Aに嫌われたくないから心を鬼にしてるんだよ
なんて言えない
｢では早速失礼いたします｣
そう言って、俺の肩に頭をコテンと預けて
顔に触れてくるA
やばい、完全に危険信号だ
咄嗟にAから距離をとって
JN ｢本当にこんなん演じるの！？｣
｢そだよ、だからジェノ呼んだのに｣
｢嫌だったらやめて他の人探すね。ごめん｣
まったく、こっちの気も知らないで。
でも、Aが別の人って言って選ぶのは
どうせコンゴンズだろうし…
それはどうにか阻止しておきたい。
JN ｢いいよ、俺がする｣
｢じゃあもう1回、｣
｢あっそれで顔に手やったらこっち向いてね｣
さっきと同じようにAが動く
それに合わせて、指示通り顔を向けると
蕩けそうなのにどこか切ない表情をしたA
JN ｢A全然表情管理問題ないよ｣
｢えーほんと？撮影の時NG大量生産だったのに｣
｢相手役ジェノだったからあんまり緊張してないの
かも笑｣
男として見られてないみたいで
地味にかなり傷つく、そしてむかつく。
なのに
｢じゃあ、撮影も相手役の俳優さんのこと
ジェノだーって思ってやるね｣
それって、俺を思い浮かべながら
あんな演技するってこと！？
さっきまでムカついてたのに一気にドキドキしてきた
やっぱり俺の負けみたい
俺の心をやりたい放題引っ掻き回す
猫みたいな君が大好きなんだ
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作者名：ぽこ | 作成日時：2020年7月19日 19時
