なんで私がマネージャーやねん。

29 -登坂 side- ページ30

┈┈┈登坂 side




丁度女の子が入って来た。


ダンスしてんのかな？って感じの服装
アディダスのオシャレなスウェットに
クロムハーツの帽子。あ、俺もあれ持ってる。


身長あれぐらいだったなぁなんて、
焼肉屋で見た女の子と比べてみたりして。
末期だわ俺。


マスクしてるから顔全体わかんないけど、
雰囲気でわかる可愛いわこの女の子。


と思ったら、その女の子がすげぇガン見してきて。

目が合った。



…………待って。もしかしてあの子？


ねえって声かけようと思ったら、逃げた。


今度は、逃がさねぇ。


追いかけて、肩を掴んでこっちを振り向かせた。



「焼肉屋のお姉さんだよね？俺の事覚えてる？」


A「……………………とさかひろおみさんですよねその節はどうも。」


透き通るような声。綺麗な声。

すごい不機嫌そうに目を逸らしながら
その女の子は言った。




「名前覚えててくれたんだ、嬉しい。」

なんて、微笑みかければ大体の女は落ちた。



A「渡された紙に書いてあったので。」


俺の思いとは裏腹に不機嫌そうなまま
淡々と言葉を返す。


「何で連絡くれねぇの？俺ずっと連絡待ってたんだけど。」


A「……はぁ。紙をなくしまして。」


「なら今交換しよ。」


A「わたしホスト嫌いなんで。」


なんて真顔で言われて、
外で思いっきり爆笑してしまった。

30 -登坂 side -→←28 -登坂 side-

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す