１５話 ページ18
【no side】
とある城のバルコニーに、とある男女の影。
男性は他国の書記長で、女性は城のある国の王女であった。
お互いに、何気ない話をしながら、静かに笑い合う2人。
単に、2人の事を全く知らない人間から見れば、お似合いの関係だと感じずにはいられないだろう。
トン「…メリル王女……。」
暫くして、楽しげな雰囲気から一変。
書記長が、少し気重たげな表情で王女を呼ぶ。
メリ「…急に改まってどうしたの？」
首をコテンと愛らしい表情のまま傾ける王女。
トン「……私に…婚約者ができた事…どう思います…？」
書記長がそう言えば、ピクリと肩を揺らしてゆっくりと目線をそらす王女。
メリ「…どう思う…なんて……」
トン「…すみません……変な事聞きましたね。
貴方には、さほど興味のない話だったでしょう…。」
さて、これ以上は身体が冷えてしまいますよ
と、王女に中に入るよう誘導する書記長。
メリ「…興味の…ない…？
…誰がいつ…そんな事を言ったのですか…？」
書記長の服の裾を少し引いて、上目遣いで目を合わせる王女。
その目は涙で潤み、悲しみを物語っている。
トン「…メリル王女……？」
メリ「……貴方を…特別な人だと思っていたのは私だけ…だったのですか…？」
その目から溢れる涙と、自身にとって都合の良い解釈をしてしまいそうな王女の言葉に、書記長は戸惑い、口ごもった。
と、その時
ほんの一瞬だった
きらびやかな光に包まれるパーティ会場のバルコニー、
漏れ出す光が、
夜の闇を星とともに照らす、
また、２人にもその光は当てられていて、できた２つの影が
ふっと重なった。
トン「…っ…なっ…//////」
メリ「…これが…トントンさん……。
貴方への気持ちです…。
私がどう思うかなんて……言わせないでください…。」
トン「……メリル王女……」
メリ「…トントンさんに……メリルと呼んで欲しかった……。
今一度…1人にしてください……。」
そう言って、書記長に背を向ける王女。
書記長は、ソッと右手を伸ばしかけた。
でも、今はダメだ。
そう判断して、伸ばしかけたその手を引き戻し、バルコニーを後にした。
メリ「…ふふっ………単純ね……」
書記長バルコニーを去った後に、クスクスと笑いながらそう呟く王女。
その口角は、楽しげに上がっていた。
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向日葵(プロフ) - すみれいんさん» 同じ文でも、何度か読むとやはり違見解が出来て、話が広がりますよね！更新の方は遅れていて本当にすみません！m(_ _)m (2020年1月11日 14時) (
レス) id: 6b871adc31 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - 今更新されているところまで読んでからここに戻って1から見るとまた見方が変わっていいですよね。こう…捉え方が変わってきます！！ (2020年1月6日 15時) (レス) id: 0dc2b364d7 (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - きのこ(em推し)さん» 返信遅れてすみません！m(_ _)m面白いと言っていただけてとても嬉しいです！応援もありがとうございます！♪( ´▽｀) (2019年10月6日 13時) (レス) id: 6b871adc31 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(em推し) - 面白かったです。応援してます。続編行ってきますｗ (2019年10月3日 11時) (レス) id: 4906f728aa (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - hasuki-さん» お祝い有難うございますっ！！とても嬉しいです！♪( ´▽｀)夏休みに入ったので、おそらくペースがもっとあがる“かも”しれません！（あくまで“かも”です(･･;)） (2019年7月20日 13時) (レス) id: 6b871adc31 (このIDを非表示/違反報告)
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