To my dear

46 ページ47

.









「終わった〜、」








今日の仕事がようやく終わって、伸びをしたら気分がスッキリした

明日は服買いに行こうかな。


A、と声を掛けられて隣を見たら菊池が真剣な顔で帰る支度をしてる








「ん？」

「付き合うの？」

「そのつもりだけど」

「…そっか。良かったな」








誰と、なんて言わなくてもわかってる

ちょっとだけ悲しそうな顔して微笑んで、
じゃあ月曜日な、って。



一度も目が合わなかった

…何、このざわつく気持ち



嬉しいはずなのに、何処かモヤモヤが消えないのはなんで？









「待って菊池」









エレベーターが来るのを待ってる菊池の元に走って行ったらちょうどエレベーターが来て、先に乗った菊池がボタンを押して開けて待っててくれた









「……………何？」

「え、いや…何も無い」

「……」









私、もしかして菊池に避けられてる…？


いつもなら、菊池は私に笑いかけてくれるのに。
一度も私の方を見ずにスマホをいじってる

話しかけんなって言ってるみたいに。



菊池と一緒にいるのは楽しいはずなのに、今は居心地が悪くて一刻も早くこのエレベーターという名の箱から飛び出したい


月曜日みたいに面白い話をしてくれるわけじゃないし、
あの日みたいな優しい菊池じゃない





…何で？









.

47→←45

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す