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55 . 聖なる夜に ページ6

慧side






帰り際、ふと時計を見ると18時を回っていた。



いつもなら、辺り一帯闇に包まれている街が、キラキラと輝いている。





そうか、今日はクリスマスイブ



ケーキも、サンタさんも、俺には関係ないし…どうでもいい。


ましてや、家にひとりで居ようが、寂しいとも思わない。




薮「入口まで送ってくよ。」


薮先生の優しさに甘えて、肩を並べて歩いていると

にぎやかな子供たちの声が聞こえてきた。


恐らくここは、小児病棟なのだろう。


すると、その輪の中に笑顔で入っていく薮先生。



「あ!こーたせんせいだ!」

「みてみて!ねがいごとかいて、つりーにかざるの!」


すごい人気…



でも、俺の目にとまったのは…


…笑顔の子供たちでも、大きなツリーでもない。








ひとり、ツリーの前で俯いている君だったんだ。

56 . 記憶の欠片→←54 . 出会いは必然



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作者名: | 作成日時:2020年2月1日 23時

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