71 . 青い月 ページ22
慧side
涼介が姿を消して、実に5年の月日が経過しようとしている
慧「大ちゃん、最近涼介に会った?」
大貴「全然、高校の卒業式以来会ってません」
大ちゃんとの交流は今でも続いており、
月一で食事に行く仲だ
大ちゃんは卒業後無事に職を見つけ、
今じゃ福祉施設で働きながら
曲を作っているらしい
実は新薬が開発されて、左目の視力はギリギリを保てているんだとか
大貴「本当に感謝ですよ山田には」
その新薬の開発チームの中に、
彼の名前を見つけた時はもう驚いた。
.
大ちゃんと別れた後、久しぶりにあの公園に寄った
なんせ今日は満月、しかもあの青い月の日だ。
そんな偶然あるはずがないのはわかってる
でも、もしかしたらがあるかもしれない
月の光を見ていると、
俺の願いが届くかもしれないと思った
ジャングルジム
そう、このてっぺんに涼介はいた。
「涼介…」
「はい」
声が聞こえた気がした
「慧にい、お久しぶりですね」
嘘だ…ほんとに、
後ろを振り返ると、少し先に彼は、確かにいた
「ほんとに涼介?なんで」
「ここに来れば、会えると思ったから」
本物の涼介だ
「今までどこにいたの、急にいなくなって」
「ごめんなさい。あんな言葉しか思いつかなくて。」
今はただ、君にまた会えたことがすごく嬉しい
いつも突然だけど、そんな君のおかげで
俺は月の光が大好きになったよ。
「おかえり」
もう俺は独りじゃない
「ただいま」
世界から目を背け、孤独を選んだ僕なんかじゃ
end.
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作者名:朔 | 作成日時:2020年2月1日 23時